栄養基礎知識
管理栄養士の平野先生がランナーの皆さんにオススメするバランスの良い1日の食事メニューとそれぞれの効果をご紹介します!
平野美由紀先生プロフィール
株式会社ダイエット食デザイナーズ取締役。個人、教育機関や企業、行政、様々なクライアントのニーズにフィットするダイエット食マネジメント管理のコンサルティングや講義を行う。雑誌やテレビなどのメディアのサポートや食品メーカー、ホテル・飲食店、イベントのコンサルティング、商品開発など多岐に及ぶ。ダイエット関連本も多数執筆。「栄養基礎知識」では、選手の食事メニューも解説しています。
ランナーに効果的な1日の食事メニュー
朝食
- 胚芽米おにぎり(梅干)3個
- 舞茸と豆腐(ねぎ入り)の味噌汁
- 温泉卵
- 鮭とブロッコリーのチーズ焼き
- オレンジ1個
- 牛乳300ml
昼食
- 胚芽米ご飯の中華丼(豚肉、キャベツ、舞茸、たまねぎ、人参)
- 卵入り中華スープ
- ひじき入り五目豆
- グレープフルーツ1個
夕食
- 胚芽米ごはん
- あさりの味噌汁
- さばの生姜焼き(かじきまぐろでも可)
- 付け合せ(小松菜とえのきのソテー)
- しらす干し入りわかめときゅうりの酢の物
- サツマイモのレモン煮
間食
- バナナ
- オレンジジュース(運動する前後に飲む)
- アミノ酸飲料を、頻繁に飲むこともおすすめ
栄養素充足率 (下記成績表参照)
- 20代の男性としてエネルギー、ビタミン、ミネラルなど、高い活動レベルとして充分に足りた献立としました。
- 特に、直ぐにエネルギー源となる糖質(ご飯など)は充分に取り入れました。
上記のメニューがウェルネスボディに効果的な理由は?
一時的にエクササイズを行うだけでは、ウェルネスボディは得られません。継続してカラダを動かすことで、初めて効果が表れてくるのですが、上記のメニューはそれを効率的にサポートする栄養素が過不足なく含まれているのです。どの栄養素がどんな役割を果たしているのか、平野先生に解説してもらいました。
たんぱく源
たんぱく源は魚、大豆が中心になるようにしました。これらは肉よりも吸収がよく、ランナーの胃に負担がかかりません。肉を食べる場合は、ビタミンB1の多い豚肉の赤身を使用して、脂による負担の軽減と、疲労回復成分であるビタミンB1の効果を考慮しています。
アミノ酸
アミノ酸は、運動効率を高める栄養素です。特に、カラダの中で生成することができない必須アミノ酸を十分に摂取できるよう配慮しました。必須アミノ酸の中でも、筋たんぱく質の主成分であるイソロイシン、ロイシン、バリンは、筋肉の損傷を少なく抑え、筋力の低下を抑えることができます。たくさん補給すれば運動エネルギーとしても利用されるので、エネルギー源に余裕ができ、スタミナを長時間維持することができます。さらに、運動した直後や睡眠前に補給すれば、傷んだ筋肉を素早く回復し、筋肉痛などを防ぐ効果も期待できます。従って、食事からだけでなく、アミノ酸飲料も頻繁に飲むことをおすすめします。
疲労回復成分ビタミンB1
疲労を溜め込まず、すばやく回復するために、ビタミンB1をたっぷり摂れる献立にしました。疲労物質「乳酸」の生成を抑制するビタミンB1は、胚芽米、豚肉、きのこ、鮭などの魚介、大豆などに多く含まれています。ビタミンB1は、水溶性なので長い時間体内に留めておくことはできませんが、玉ねぎ、にんにく、ねぎ、にらといった食品と一緒に摂ることで、効果を持続することができます。献立にも、玉ねぎ、ねぎなどを加えてあります。胚芽米もいいですが、ビタミン強化米もおすすめです。
ビタミンC
ランナーは色々なストレスと戦っています。特に、日焼けなど紫外線からのストレスはかなり激しいものがあります。ビタミンCは抗ストレスビタミン。ストレスから体を守ってくれ、ストレスに強い体にしてくれます。また、筋肉疲労による故障も防ぐという特徴もあり、しっかりと摂取しておきたい栄養素ですが、長い時間カラダに留めておくことができないため、毎食、そして間食などの際、頻繁にたっぷりと摂取することが必要です。
鉄
ランニングの際、足の裏の血管が衝撃を受けて毛細血管が壊れたり、筋肉が収縮して赤血球を傷つけることにより鉄が不足し、貧血になることがあります。そのようなことにならないよう、ひじき、あさり、卵など、鉄を多く含んだメニューとしています。
クエン酸
疲労を溜め込まないためには、酸味のあるものを摂取するのが有効的です。 酢の物や柑橘類を毎食プラスしてあります。
[ 運動前後のオレンジュースのすすめ ]
運動能力を高めるために、オレンジジュースを飲むことをおすすめします。適度な糖質がすばやくエネルギーになるだけでなく、筋肉に必要なカリウム、疲労・ストレスを防ぐビタミンCやクエン酸が摂取でき、さらに水分補給もできるのでおすすめです。運動前、そして後に飲むといいでしょう。
[ 間食 ]
間食には、バナナがおすすめです。素早くエネルギー源になるだけでなく、筋肉に必要なカリウムや、ストレスや筋肉疲労を防ぐビタミンCが豊富に含まれています。