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セルフケア・エクササイズ編
ランナーのための簡単セルフケア ~膝~

大会やイベントがあると、パフォーマンスアップや目標達成のため、自ずとランニングの距離や頻度が増えてきます。トレーニングの負荷が増えるとともに発生する問題が痛みなどの障害です。「つま先を広げよう!(ランナーのための簡単フットケア)」では「足」のセルフケアを取り上げましたが、今回は「膝」をご紹介したいと思います。

比較的長い距離を走られる方に起こりやすいのですが、ある一定の距離を越えると膝関節の外側に痛みを生じることがあります。これは腸脛靭帯と呼ばれる骨盤の横からから膝の外側までつながっている組織の炎症の可能性が高いです。腸脛靭帯炎は、膝の安定に大きく関与する臀筋(お尻の筋肉)があまり機能しないという事が原因だと言われていますが、ランニング時に足が地面に着地した時に膝が耐え切れず内側に入り過ぎてしまうことで、膝に負担がかかり炎症を起こします。

ランニング中や後に膝の外側に痛みが生じたら、まずはアイシングなどで患部の痛みを抑えましょう。
ただ痛みのある場所に原因があるわけではなく、腸脛靭帯の元になっている筋肉(大腿筋膜張筋)が硬くなっている可能性が高いので、この筋肉をテニスボールやストレッチポールなどでしっかりほぐすことをお勧めします。
この筋肉は骨盤の骨が一番前に出ているところのすぐ外側に付いて、イメージとしてはズボンのポケットのあたりです。
ボールなどを床に置き、この筋肉がしっかり当たるようにして上から体重をかけていきましょう。
あとは脱力して30秒、痛みに慣れてきたら軽く体を揺らしてマッサージ効果を上げてみましょう。

ランニング中や後に膝の外側に痛みが生じたときのストレッチ

ストレッチは、他の大きい筋肉とは違い自分ではなかなか伸ばしにくいですが、コツを覚えれば非常に伸びますので挑戦してみてください。

ストレッチ1

  • 立った状態から、伸ばしたい方の脚を一歩後ろに引きます。

ストレッチ2

  • 後ろ足に全ての体重をかけて、ゆっくり後ろ足側に上半身を捻ります。

ストレッチ2

  • 伸びが足りない人は更に体を横に傾けてみましょう。