KONICA MINOLTA Recruiting

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PROJECT 02 HitomeQケアサポート

働く人も利用者もしあわせに。
介護領域のDXへの挑戦。

OUTLINE

ますます加速する高齢化社会の中で、要介護者を支援する介護スタッフ不足が一段と深刻さを増している。2025年には現在と比べ、約35万人もの人材が不足すると見通されるなど、大きな社会課題として早急な対応が求められている。コニカミノルタが開発した「HitomeQケアサポート」は、現場で働く介護スタッフの業務と入居者の状況を“みえる化”することで、介護の負担軽減と施設入居者の安全を見守るツールとして要介護者の入居する施設を中心に注目を集めている。

BEFORE / AFTRER
介護スタッフの仕事はアナログな部分が多い 業務を「みえる化」し負担軽減と作業を定量化
BUSINESS UNIT

QOLソリューション事業部

MEMBERS
  • 安達 友規
    安達 友規
    Adachi Yuki
    QOLソリューション事業部 事業戦略部
    兼HQSカスタマーサクセス部
  • 清水 景絵
    清水 景絵
    Shimizu Akie
    QOLソリューション事業部 事業戦略部
    兼カスタマーエンゲージメント部

施設で働く介護スタッフの仕事は
“アナログ”という現実。

要介護者が入居する介護施設で働く介護スタッフの業務は、人の力に頼る“アナログな部分”が多い。例えば、緊急コールに対しての訪室対応や夜間の見回り業務など、介護スタッフが直接的に入居者を見守るといったように、人の目に頼っているのが現状となっており、介護スタッフへの負担が非常に大きい。加えて、たとえ作業がマニュアル化されていても、経験や勘によって動く部分も多く、介護スタッフによってサービスにバラつきが生じてしまうのが現状だ。そういった介護施設が抱える課題の解決を目的として取り組みを始めたのがIoT技術を活用することで介護現場のオペレーションを“みえる化”し、業務の負担軽減、そして標準化によって誰もが一定のオペレーションを行えるよう変革をもたらす「HitomeQケアサポート」の開発だ。コニカミノルタが強みとする画像解析技術を介護の現場でどう活かすか。そして、いかに介護の現場で使ってもらい、定着させるか。その命題に立ち向かうべく、2016年からQOL事業部の挑戦が始まった。

施設で働く介護スタッフの仕事は“アナログ”という現実。

EPISODE 01 最初の仕事は、
膨大なデータを“みえる化”
することだった。

黎明期はまさに手探り状態。
まずはデータを根気強く収集し
ロジック化。

画像解析に強みを持つコニカミノルタだが、介護施設における業務支援プロジェクトの黎明期は、まさに手探り状態だった。プロジェクトを開始するにあたり、まず多く集められたのがデータサイエンティストだ。2018年に採用され、QOLソリューション事業部に配属された清水も「HitomeQケアサポート」開発チームの黎明期を支えたその1人。ソリューションの開発に先立って取り掛かったのが、管理サーバーから収集したデータを取り出し、データを“みえる化”するための仕組み作りだ。当初は、入居者の様子をうかがうのがいいのか、それとも現場スタッフの動きを察知し作業を支援するのが良いのかについて特に設計がされていなかったため、まずは無尽蔵に集められた膨大な量のデータを解析する必要があった。この作業は、主にインフラに強みを持つデータサイエンティストによって丁寧にデータが引き上げられ、そして指標化。それをもとにロジックを作成してデータを可視化するといった気の遠くなるような作業だった。実に1年近くの歳月をかけて、安定したデータ可視化の仕組みが出来上がった。

黎明期はまさに手探り状態。まずはデータを根気強く収集しロジック化。

新しい取り組みには現場の反発も。
アプローチの工夫によって
導入を促進。

「HitomeQケアサポートは、いわゆるインフラにあたる製品なので、決して安いものではありません。当初はシステムを一括納入していましたが、どうしても導入をご決断頂くまでの商談期間が長くなるという課題がありました」。そう語るのは、QOLソリューション事業部で事業戦略とカスタマーサクセスを兼務する安達だ。カスタマーの要望を聞き出し事業戦略を練っていく傍ら、インサイドセールスのチームリーダーとしてカスタマーと最初に接点を持ち「HitomeQケアサポート」のサービス概要を説明したうえで商談に繋げていく役割も担っている。「介護施設の理事長やICT担当者が興味を示しても、日々現場を駆け回るスタッフから新しいシステムの導入に対する反発も少なからずあります。そこで、新しい方法を考える必要がありました」と当時の状況を振り返る。そこで生まれたのがサブスクリプションによるサービス提供であり、導入前に3週間ほど試用できるトライアル制度だ。現場で働くスタッフには、実際の端末に触れて日常の業務がいかに効率化できるかを体感してもらう。そして裁量権を持つ立場の人たちには、スタッフの活用状況や稼働状況を可視化することで業務の効率化はもちろん、働き方の標準化やスタッフの評価に繋がるシステムであることをアピール。導入の意思を固めてもらうため、このようなアプローチを地道に進めてきた。

新しい取り組みには現場の反発も。アプローチの工夫によって導入を促進。

EPISODE 02 QOL向上に向けた、
業務改善と負担軽減の
プラットフォームを構築。

画像解析の強みを活かし、
要介護者のQOL向上に寄与。

「HitomeQケアサポート」は、部屋の天井に設置された行動分析センサーが入居者の動きを分析。起床や離床、転倒・転落などの注意行動を認識すると、スタッフが持つスマートフォンへ映像と共に通知が届くほか、スタッフ間のデータ共有ができるなど、業務の効率化を実現するソリューション。導入することによって、入居者の生活リズムに合わせた介助が行えるほか、手元の端末で入居者の動作確認ができるため、介護スタッフの訪室による肉体的負荷や精神的負荷の軽減に寄与。それによって離職が防げるなど、入居者とスタッフ、そして施設が抱える課題をまとめて解決できるメリットがある。安達は「このプロジェクトを立ち上げるのにあたり、コニカミノルタのスタッフが介護スタッフの初任者研修資格を取得しました。そして、実際に介護施設に通いに伺い、現場で働く方々が抱える課題を丁寧にヒアリングしました」と語る。コニカミノルタに蓄積された画像解析技術と、介護の知識を持った技術スタッフによるヒアリング。そのふたつを組み合わせることで、サービス定着はもちろん、要介護者のQOL向上を実現するシステムへと磨き上げられていった。

画像解析の強みを活かし、要介護者のQOL向上に寄与。

システムは使ってこそ価値がある。
より浸透させるための取り組みも。

いくら優れたシステムを導入しても、それを活用しなければ業務の改善にも繋がらず、宝の持ち腐れ。「HitomeQケアサポート」の開発に携わった清水は現在、直接的な売り上げにも貢献したいという想いから同事業部でデータサイエンティストでありながら営業支援も担っている。「HitomeQケアサポートでは、スタッフさんの使用状況を日々モニタリングし、可視化することができます。システムを上手く活用できていないスタッフさんがいらっしゃる場合には、フィールド営業さんと連携し、重点的に使い方をレクチャーしたり、不満をお持ちでないか伺ったりとフォローを大切にしています」とフォロー体制の重要性を意識。また、安達は「コニカミノルタが介護事業を手掛けていることが、介護の現場でまだ認知されていないので浸透させていくことが大切ですね。Webセミナーや展示会なども開催しているのですが、どうしても現場の方が自分からそういった情報をキャッチすることは少ないので、実際に体験していただける機会を増やしていくことを大切にしたいですね」とサービス浸透への強い思いを抱き、日々の営業活動に向き合っている。

システムは使ってこそ価値がある。より浸透させるための取り組みも。

EPISODE 03 施設と入居者、
どちらにも利益を与え続ける
存在でありたい。

2025年には35万人もの介護スタッフが不足していくと言われている中で「HitomeQケアサポート」は、介護スタッフの負担軽減を主軸において展開されてきた過去がある。なぜなら、スタッフの業務を可視化して標準化することによって業務効率は改善され、さらには貴重な人材の離職率低下も見込めるためだ。とはいえ、高齢者がますます増えるいま、施設も労働面だけでなく経営面においても疲弊が見られてくることは必至だ。安達は「介護施設の収入源となる介護報酬は、3年に1度見直されます。入居様のQOL向上または維持という、いわゆる“ライフ”がテーマになります。それをしっかりと行っている施設には、それに応じた報酬が支払われていくという流れになっています。」と語る。「HitomeQケアサポート」が目指す未来は、働き手とサービスを受ける入居者、どちらにも利益を与え続ける存在であることだ。