トピックス
高速デジタルラベル印刷機についての知的財産活動
当社の高速デジタルラベル印刷機「AccurioLabel シリーズ」は、ロール状に巻かれた連続用紙(ロール紙)を巻き出し機と巻き取り機の間で一定のテンションを保って搬送し、画像形成部において用紙上にラベル画像等を転写、定着させることで、長距離印刷を可能とします。
飲料・食品・雑貨などの生活必需品に欠かせないラベル印刷は、年々需要が増えている分野です。「AccurioLabelシリーズ」は、優れたプリント速度や操作性により高い生産性を実現し、拡大する市場における納期短縮の要望に応えています。さらに、トナーを用いた電子写真方式の採用により、高品質な画像出力が可能となり、品質に厳しい市場ニーズに対応しています。

当社は、プロフェッショナルプリント強化領域の事業成長と拡大へ向けて、最新機の「AccurioLabel 400」をはじめとする「AccurioLabel シリーズ」に採用されているロール紙印刷関連の技術を、強固な特許障壁構築を目指す重点領域と位置付け、開発部門と連携しながら、技術開発段階から集中的な特許出願を進めてきました。

この戦略を着実に遂行した結果、上図に示すとおり、ロール紙印刷関連技術についての登録特許のポートフォリオは着実に拡大してきており、「AccurioLabel シリーズ」の堅調な販売を支えています。
当社は今後も、特許障壁の強化と、特許ポートフォリオの効率化を通じて、プロフェッショナルプリント強化領域の事業成長と拡大への取り組みを継続する予定です。
ガス漏えい検査システムについての知的財産活動
当社のガス漏えい検査システムは、コア技術である光学技術・画像処理技術を赤外線カメラに応用し、目に見えないガスを「見える化」します。これにより、ガスの漏えい源、量、濃度を素早く・簡単・高精度に把握できるようになります。また、プラントや工場の保安業務が高度化するなかで、対象から離れた場所からでも検査が可能なため、点検作業の安全性が大幅に向上しました。さらに業界最小・最軽量のハンディ型装置により、幅広い環境・状況での使用を実現しました。

当社は、この「ガス検知画像による検査」という新技術を業界標準などのルールとして定着させる活動を推進しています。従来、目視検査が主流であったガス貯蔵施設の点検にこのシステムを普及させることで、安全性と効率性の向上を実現します。また、このルール形成を通じて、ガス貯蔵施設の検査分野における新たな市場の創出にも貢献しています。こうした取り組みが評価され、経済産業省から「市場形成力指標が高い企業」に選定されました。経済産業省は、企業がルール形成に取り組むことで新しい市場を創出する「ルール形成型の市場創出」を推進しており、当社のガス漏えい検査システムの事業は、その成功例の一つとして紹介されています。
さらに、当社は、単に新たな市場を創出して業界を活性化させるだけでなく、独自のガス検知技術の価値と強みを特許で保護することで、競争上の優位性を確立しています(日本特許第6245418号、米国特許第10145788B2号など)。この特許戦略を通じて、新たに創出した市場における当社の存在感を強化し、業界のリーダーとして社会課題の解決を推進していきます。
【経済産業省ニュースリリースの詳細はこちらから】
また、この検査システムは、グローバルな社会課題であるメタン排出削減に取り組む米国の天然ガス事業者連合団体 Our Nation’s Energy Futureから「2024 ONE Future Awards」Technology of the Year(Production部門)を受賞しました。ガス漏れの箇所や漏えい量を正確に把握でき、高い精度と信頼性により、米国の多くの石油・ガス事業者や政府機関から信頼されている検査システムであると評されています。

これら国内外での評価を弾みに、技術や知的財産を活用して、事業創出につながる“成長の芽”を大きく育て、当社の持続的成長へ向けた「成長基盤の確立」へとつなげていきます。