中期知的財産計画の進捗状況

中期知的財産計画(2023~2025年度)

中期経営計画(2023-2025)の下、中期知的財産計画(2023~2025年度)では3つの重点方針を設定しました。これら方針のもとに、各事業と密接に連携のうえ着実に知財活動を推進しています。

方針1:「事業収益力の強化」に貢献する知財戦略の実行

事業の選択と集中による強化事業の拡大をさらに推進するため、知財活動においても知財投資の選択と集中を進めています。特に、強化事業であるプロフェッショナルプリント、インダストリー、ヘルスケアにおいて、全社の特許出願に占める比率を2025年度までに70%近くにまで高めることを目標としており、その達成に向けて順調に進捗しています(下図参照)。

特許出願に占める強化事業の比率

インダストリー事業において、注力領域へリソースを優先配分することで、従来の製品別事業ユニットを超えた市場・顧客目線での価値提案による事業創出を強化しているのに合わせ、知的財産部でも、その価値提案の元となる技術アセットや創出された具体的なソリューションについて過去の特許出願の状況や今後出願すべき内容の調査・解析、出願・権利化の活動を強化しています。
また、事業貢献度の高い知財活動を行うため、各事業戦略に沿って、必要となる重要特許の創出件数の目標を設定しています。狙いを定めた出願活動を展開することで、特に強化事業においては、所定の基準で最上位に評価された重要特許について、その出願数が総出願数に占める割合を増加させています。
これら最上位の重要特許については、その発明者に対して、通常の報酬(発明に対する対価)よりも高額を支払う施策も実行しています。これにより、質の高い発明の創出促進を図り、特許障壁の構築を加速し、事業収益力強化へとつなげています。

方針2:知財IR活動の進化

Konica Minolta Day~サステナビリティ説明会~を開催し、サステナビリティ経営の方針や戦略、DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用事例を紹介するとともに、当社の知財活動及び中期経営計画を推進する知財戦略の説明を行いました。(参照:知的財産についての説明new window
また、双方向コミュニケーションの観点から、機関投資家との直接的な対話を実施し、知財情報開示の進化と深化に取り組みました。

方針3:知財活動を支える人財基盤と知財DXの強化

  • 中長期を見据えた人財戦略

    知的財産部員に必要とされるスキルセットを再定義し、それらスキルを有したプロフェッショナル人財になるためのキャリアパスを明確化しました。さらに、目指す人財の輩出につながる育成・強化プログラムを策定し、中長期的に安定的な機能発揮が可能な人財基盤の強化を図りました。
    知財を駆使して事業貢献ができるプロフェッショナル人財
  • 知財DXの推進による生産性向上と新たな価値の創出

    当社では、AIを活用した業務の自動化を推進しており、その一環として、業務の効率化や改革を通じて、従業員がより付加価値の高い業務へシフトできるようにDXへの投資を積極的に行っています。
    これは知財活動においても例外ではなく、知財業務の棚卸、整理、可視化を行い、その上でAIやデジタルツールを活用し、業務の自動化や情報収集・集約の効率化を推進しています。これにより創出された時間を有効活用し、知的財産権のさらなる質の向上を図るとともに、知財活動における新たなイノベーションの創出を目指しています(下図参照)。
    また、知財活動の一層の効率化を推進するためのデジタルツールについては独自開発も継続しており、先行技術調査の効率化、自社技術・人財探索の効率化、AI活用による外国特許出願の改革を実現しました。これら取り組みについては、次ページにて詳細を説明します。
    知財DXの推進による生産性向上と新たな価値の創出