東京マラソン2019に向けてトレーニングに励んでいる最中の3人のランプロガールたちが、ランニングの疑問や悩みをコニカミノルタの選手たちに直接ぶつける座談会。経験と知識豊富なトップ選手たちならではの役立つアドバイスがたくさん飛び出しました。
時短トレーニングを教えてください。
マオさん
子育て中はとにかく時間がない。短時間で効果的なトレーニング方法があればぜひお聞きしたいです。
野口
坂を走るのはいいと思いますよ。脚への負荷も、心肺への負荷も高いので一石二鳥です。200〜300mぐらいの坂があれば理想的。近くで探してみてください。
山本
日常生活で体を動かす機会を作るのも手。僕も1歳と3歳の子供がいるんですけど、子供と公園に行ったら一緒にジャングルジムに登っちゃう(笑)。子供を高い高いする時に同時にお尻を落としてスクワットするのも結構いいです。走るトレーニングも大事ですけど、日常の中でできることを見つけるのもひとつの手だと思います。通勤中はエスカレーターではなく階段で。ぜひお尻を使って登るようにしてみてください。
マオさん
選手のみなさんでも、疲れて練習やりたくない、ということはあるんですか?
野口
ありますよ。気持ち的に「やらなきゃ」という意識が強くなりすぎると心身のバランスがとれなくなることもある。そういう時は僕は休んでいいと思ってるんです。自分の感覚に忠実でいい。普段しっかり練習できているなら、その1日休んだことですべてが台無しになることはないですから。
谷川
僕は朝起きた時の感覚を大事にしてます。昨日の疲労がかなり残ってるなと思ったら、無理しない。練習量を減らしたりします。
マナさん
私は疲れてても結構走っちゃう方。でも、疲労が抜けなくて。お話うかがって、休むことも大事だなって思いました。
マオさん
私は自分の中で最低限の距離を決めておいて、疲れていたらそこまで。気分がよければそれをさらに伸ばす、という感じにしてます。
レース中、心が折れそうになったらどうやって気持ちを保ちますか?
マナさん
みなさんでも、レース中に心が折れそうになることはあるんでしょうか?
野口
ありますよ。1度だけ、完全に心が折れてしまったマラソンも経験しました。ただ、基本的にはやはり、求めている結果や責任もあるので、そこには固執したい。そこから逃げちゃダメだと思ってます。
マナさん
そんな時、どうやって気持ちを保っているんですか?
野口
目標を成し遂げたいという気持ちを見失わないようにすることです。きつくなったらそれを思い出すようにしています。
山本
私の場合は、キツいっていうこと以外のネガティブな考えを頭から排除する。「キツいからやめたい」ではなく「キツいけど目の前のアイツを絶対抜く」と。ペースが落ちてることを知りたくないので、時計も見ませんね。目の前の選手を抜くとか、あそこの給水までがんばるとか、瞬間瞬間で目標を決めて自分を奮い立たせて走っているうちに残り1kmになる感じです。
谷川
僕はネガティブにとらえがちなんですけど(笑)、序盤キツくても後半体が動いてくれることもよくあるので、とにかく我慢していればあとでいい時が来ると信じて走ってます。
レース前の食事は何を?
ユミさん
フルマラソン前の食事はどんな風にとっていますか?
谷川
当日は、レースのだいたい4時間前に食べ終わるようにしています。内容は炭水化物中心。野菜などは消化がよくないので食べません。その後2時間前にゼリーやカステラなど、糖質を含んだものをとります。水分は前日からこまめに、喉が乾いてなくても意識的にとるようにしています。
山本
よく1週間前からカーボローディングとかっていいますが、私は食事の量は変えず、練習量で調節します。当日朝はごはんだけを600g。必死にほぼ白米だけを食べています。お腹を下すことも多いので、そういうリスクがあるものは食べないようにしています。
ユミさん
逆に、マラソン後に食べたくなるものは?
野口
焼肉とか寿司かな。ご褒美というか、そういうのはちゃんと作ってます。あっていいと思いますよ、そういうことは。
<対談を終えて>
マオさん
トレーニングの時間が満足にとれなくてもできることはいっぱいあるんだっていうことが今日わかったので、日々の生活から見直していきたいなと思いました。貴重な機会をありがとうございました。
ユミさん
基本的なことでも、筋肉や姿勢を意識したりと、質を上げてやることで効果が出るんだなと感じました。ダラダラ毎日走ればいいのではなく、ポイントがあって気をつけるべき点がある。明日からの走る意識が変わりました。
マナさん
知らなかったことを知ることができて、すごく勉強になりました。レース当日の朝食は4時間前に食べ終わると聞いて、そんなに早く食べるんだ!とか。子供を抱えてのスクワットは、走りたいのに走れなくてストレスがたまっている時にぜひ取り入れてみようと思いました。
山本
みなさん限られた時間の中で色々工夫しながら練習をされているんだなと感じると共に、時間を与えてもらっている自分は更に精進しなければと、気が引き締まりました。東京マラソンは私も走る可能性があるので、その時は一緒にベストを尽くしてがんばりましょう!
野口
市民ランナーの方々の強い向上心を感じました。練習も無理なく自分のペースで楽しく走って下さい。マラソンは最後まで諦めないことが大切です。東京マラソンでみなさんが目標を達成されるよう応援しています。
谷川
市民ランナーの方々の思いや考えを知ることができ、私達も勉強になりました。マラソンは長いので、前半頑張り過ぎないように気をつけてください。楽しむことを忘れず、思いっきり走って来てください!