北の大地を参加者33名が全力疾走。
彫刻家イサム・ノグチの設計で知られる札幌の名所、モエレ沼公園内で開催されたコニカミノルタランプロ部 ランニングクリニックin札幌。ランニングシーズン真っ盛りの北の大地で、33名の参加者のみなさんと充実したひとときを過ごしました。
1.開会式
モエレ沼公園のランドマーク、「ガラスのピラミッドHIDAMARI」に集まったのは、6倍の競争率を勝ち抜いたランナーのみなさん。今日1日のメニューの説明と、この日指導を担当する迎忠一コーチ、宇賀地強プレイングコーチ、そして蜂須賀源選手らそれぞれの自己紹介から始まりました。
迎コーチ
この機会にみなさんに少しでも役立つことを伝えられればと思っています。チャンスがあればどんどん質問していただいて、我々からいろんなことを吸収して帰ってください。
宇賀地プレイングコーチ
本日は短い時間ですが、怪我などないよう気をつけながら、終わった時に、参加してよかったと思える機会にしたいと思っています。がんばりましょう。
蜂須賀選手
しばらく怪我で走れない時期を過ごしていたので、この機会にみなさんと一緒に走れる喜びを満喫したいと思っています。3人の中では一番経験が浅い僕ですが、話しやすさナンバーワンを目指します(笑)。
2. ウォーミングアップジョグ&準備運動
ガラスのピラミッドから陸上競技場まではウォーミングアップを兼ねてジョグで移動。緑の芝生や円錐形のモエレ山など、美しいランドスケープを楽しみながらゆっくりと走ります。到着したのは競技場前の広大な芝生エリア。ここで、蜂須賀選手の主導で軽い準備運動。膝の屈伸や前屈、肩回しなどで全身をほぐしました。
3. 動的ストレッチ&補強運動
コニカミノルタの選手が練習前に日々行っている動的ストレッチを迎コーチが伝授。股関節、肩甲骨をほぐして、上下の要となる関節可動域を広げていきます。怪我の防止はもちろん、よりよいフォーム作りのためにも大切な準備です。
続いて腹筋、背筋、サイドなどの体幹、そしてお尻の筋肉を鍛える補強運動。選手たちも行っているメニューだけに、中には難易度の高いものも。参加者のうめき声も徐々に大きくなっていきます。「走る動きを意識して〜」「はい、休まな〜い!」「息止めないで、しっかり吐いて〜」など、コーチ陣からはアドバイスとも叱咤ともとれる掛け声がどんどん飛び出してきます。最後は宇賀地コーチ、蜂須賀選手それぞれのスペシャルメニューで下半身の主要筋肉にがっつり刺激を入れ、補強運動は終了。走る前にここまで追い込むことになるとはみなさん予想していなかったようで、「こんなキツいとは思わなかった」「明日の筋肉痛が怖い」との声も聞こえてきました。
4. ラントレーニング
競技場に移動して、いよいよランのトレーニング。参加者は目標ごとに3つのグループに分かれ、それぞれレベルに合わせたメニューを行いました。
サブスリーを目指すAチームは宇賀地コーチの指導のもと、トラックを使ってのインターバル走。1周400mを100秒から90秒で走り、200mのジョグでつなぎます。「速いペースの時にがんばるのも大事ですが、実はその後のリカバリージョグが重要。深く呼吸をして一度上がった心拍数を整えてから次の1本をスタートできるように」と宇賀地コーチ。「キツかったら1本抜けてもいいんです。そこで無理をするとフォームが乱れたり怪我につながることもあるので」とのアドバイスもありましたが、蓋を開けてみればチーム全員が設定ペースで10本を完走していました。
サブフォーを目指すBチームの指導は蜂須賀選手。トラックでの6000mのペース走は、目標のマラソンペースより少し速いペース設定。集団でペースをキープしながら走ります。「きれいなフォームで走ることを意識しましょう。先ほど刺激を入れたお尻の筋肉や体幹を意識してみてください」とのアドバイスのもと、キロ5分半ペースからスタート。中盤はキロ5分、さらにラストに向かってそれぞれの走力で自由にペースを上げるビルドアップ走に。集団から遅れてしまった人も、自分のペースを守ってしっかり走り続けていました。
迎コーチ率いるフルマラソン完走を目指すCチームは、競技場の外周へ出てのジョグ。その後トラックに戻り、100mダッシュを3本という、当初の予定にはなかったメニューを追加するあたりは、さすが"鬼コーチ"です。「いつもジョグだけだと単調になってしまいます。時々でいいのでスピードを上げた走りを入れると、腰高のフォームが身につきますよ」と迎コーチ。その言葉の通り、みなさんジョグとはまったく違うダイナミックなフォームで生き生きと風を切っていました。