聖地長居のトラックを思い切り駆け抜けた充実の1日。
2019年1月、6年ぶりに大阪で開催されたコニカミノルタランプロ部 ランニングクリニックin大阪。応募多数の高倍率のなかから当選した30名の市民ランナーのみなさんが、大阪の陸上の聖地、長居公園内「ヤンマーフィールド長居」に集まりました。
1.開会式
集まった参加者のみなさんの期待に満ちた眼差しが注がれるなか、今回講師を務めるコニカミノルタ陸上競技部の迎忠一コーチ、西池和人選手、川端千都選手が入場。自己紹介とともに、今回のイベントへの意気込みを語りました。
川端選手
長居には高校3年生の時、全国高校選抜大会で2位になった思い出があって、自分の成長を実感する場所でもあります。今日は怪我なく、楽しく、充実した1日にしたいと思います。
西池選手
私は大阪出身なのでここ長居は馴染み深い場所。中学校の時、長居で駅伝を走り区間新を出して初めて新聞に載った思い出もあります。今日はそんな場所でみなさんと一緒に走るのが楽しみです。
迎コーチ
厳しいのは一部。全体的には楽しんでいただけるイベントになると思います。よろしくお願いします。
2. ウォーミングアップジョグ
2グループに分かれて、長居公園内の約1kmをゆっくりジョグ。
コーチ陣と、または参加者同士、会話を楽しむ姿もありました。その後陸上トラックに移動して、軽い準備体操。西池選手のリードでジャンプや屈伸などを行いました。
3. ストレッチ&補強運動
怪我なく、よりよいフォームで走るために必要なのが事前の動的ストレッチ。「ランニングで大事なのは、股関節と肩甲骨。この部分の可動域を広げることができれば、同じピッチで走ってもストライドが広がり、スピードが上がるようになります」と迎コーチ。コニカミノルタの選手が日頃おこなっている6つの動的ストレッチが伝授されました。
「次は体幹の補強運動をやります。先ほど股関節と肩甲骨が大事と言いましたが、その2つをつなぐのが体幹。この部分が弱いと、走る時の推進力が逃げてしまいます」という迎コーチに促されて、ちょっときつめの補強運動に突入。腹筋、背筋あたりまでは、笑顔でこなしていた参加者のみなさんですが、腹斜筋の筋トレぐらいから徐々にうめき声が聞こえるように。
「お尻も鍛えていきましょう。ここを使えるようになると、いい走りができるようになります」と迎コーチ。片足立ちで脚をゆっくり前後に動かしてお尻の筋肉に刺激を与える運動と、寝そべってお尻を上げ下げする運動を紹介。やり方のお手本を見せる西池選手、川端選手を見る限りはラクそうなのに、市民ランナーにとってはかなり高難度のものも。 選手の肉体との違いを実感するみなさん。
最後には「西池スペシャル」「川端スペシャル」という超ハードなメニューも飛び出し、会場にはどよめきが。このスパルタメニューを終えた参加者からは「きつかった」「腹筋の弱さを認識した」「学生時代を思い出した」などの声が上がりました。
4. ラントレーニング
いよいよメインのラン。「フルマラソンでサブスリーを目指すA」、「サブフォーを目指すB」、「完走を目指すC」の3つのチームに分かれてトレーニングスタートです。
Aチームの指導を担当するのは川端選手。メニューは400mトラックを使った400m×10本のインターバル。1周90秒のペースで川端選手が参加者のみなさんをペーシングし、1本終えるごとに200mのジョグでつなぎます。最初はほぼ全員ついていっていたものの、本数を重ねるごとに少しずつ遅れ始める人も。それでも、6本目以降はさらにペースを上げ、ラストは各自フリーで全力疾走。63秒というタイムを叩き出したスピードランナーもいて、これには並走していた川端選手もびっくり。大いに盛り上がりました。
西池選手が指導を担当したBチームはトラックで6000mのビルドアップ走。「ひとりではなかなかできない"ちょっと無理めのペース"を体験してほしい」と、5分/kmペースからのスタート。余裕でついて行く人もいれば、集団からこぼれながらも、懸命に走り続ける人も。ペースも終盤はかなり上がり、最後まで西池選手についていけた人は3名ほどでしたが、自分のペースで走り続けた人たちも無事トラック15周を完走し、充実した笑顔を見せていました。
迎コーチ率いるCチームは、長居公園内のジョギングコースを気持ちいいペースで30分ほどジョグ。それだけでは物足りなさそうな参加者の様子を察した迎コーチが参加者をトラックへと誘導。筋肉に刺激を入れるための「流し」を、400mトラックの直線部分を使って行いました。「ジョギングばかりだと、スピードを上げて走るためのフォームがつくれない。普段はゆっくり走っている人も、時々こういった刺激が必要です」と迎コーチ。息を上げながらも生き生きと楽しそうにトラックを疾走する参加者のみなさんの姿が印象的でした。