大阪・びわ湖毎日 マラソン統合大会優勝の星岳選手に聞きました!
2月27日に開催された第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会で優勝した、コニカミノルタ陸上競技部 星岳選手。初マラソン日本記録となる2時間7分31秒でゴールし、2023年秋にパリオリンピック日本代表選考会として開催されるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権も獲得しました。一気に世界の舞台に近づいた星選手にお話を伺いました!
「地元によい報告が出来て本当によかった」。優勝後の反響
- この度は、本当におめでとうございます!大会後、「あまり実感がない」とお話されていましたが、その後時間がたち、多くの方に祝福され取材も増える中、実感は沸いてきましたか?
星:多くの方に喜んでいただき、声をかけていただいて、とても嬉しいです。でも、実感というと、「めっちゃ嬉しい!」という感じではないんです。あんまり現実感がないのかもしれません。
- 3月4日には、母校の仙台大学附属明成高校で優勝報告会が開かれました。
星:教職員の方々はほとんど在校していた時と変わっていなくて、当時をよく知る方ばかりなんです。その皆さんに喜んでいただけてよかったです。高校のあるところは生まれ育った地域でもあるので、地元によい報告が出来て本当によかったなと思います。
- 職場でも報告会が開催されましたね。いかがでしたか?
*星選手は、現在 情報機器開発本部開発管理部に所属し、陸上競技部選手としての練習の他、業務に従事しています。
星:皆さん喜んでくださって、すごかったです!新聞の切り抜きがパネルになって飾ってありましたし(笑)。今回いただいたトロフィーとメダルは、いま職場に飾ってあります。
野球部からスカウト!意外な星選手のルーツ
- ところで、いつから陸上を始めたのですか?
星:高校からです。中学生までは野球部でした。中2と中3の時に、色々な部活からメンバーが集めれられて学校代表として仙台市の駅伝大会に出場しました。陸上経験はこれくらいだったのですが、中3の駅伝の時に、高校の先生に声をかけていただき、正直驚きました。
- なんと駅伝大会で先生からスカウトがあったとのこと。当時のことを明成高校陸上部顧問 中村登先生にも伺いました。
中村:駅伝で1区を3番で走ってきたんです。あの1本のレースを見ただけですが、その走り方・走りの質がいい、小さいけど体形もいい。そして、きっと陸上部じゃない、と思いました。聞いたら野球部ということで、まだまだ伸びると確信したんです。とはいえ、本当にうちの学校に来てくれるとは!嬉しかったですね。 地元によい報告が出来て本当によかった
- そして高校から本格的に陸上を始めたんですね。
星:入学当初は練習についていけなかったのを覚えています。身体が出来ていなくて、怪我が多くて苦労しました。高校での目標は、全国大会出場と箱根駅伝だったんですが、難しいのではないかとさえ思ったこともありました。
- 高校時代は苦い思い出もあったそうですが。
星:2年生のとき、インターハイ県予選の5000mに故障を隠して出場したんですが、予選敗退してしまって。ただこれは自分にとって転機だったと思います。そこから先生やトレーナーの方にも向き合っていただき、故障を直ししっかりトレーニングを積んでいくことが出来ました。その後高校3年の最後には、都道府県駅伝の宮城県代表として走ることが出来ました。
目標をぶらさず、継続して地道に続けていくことの大切さを身をもって感じています。
冷静なレース展開を支えた“慎重な性格”
- 大学時代、帝京大学の代表として箱根駅伝で活躍されましたが、マラソンはいつから意識したのですか?
星:自分はトラックレースではなくマラソンタイプと思っていて、社会人になったらマラソンを、と考えていました。社会人1年目にマラソンを経験したいと思い、今年度初めに2月末の大阪・びわ湖毎日マラソンへの出場を決めました。
そして、2028年ロサンゼルス五輪出場が最終目標です。ちょうどこの時30歳になるので、キャリアの集大成と考えています。もちろん、今回パリ五輪への出場権をかけたMGCに出場できることになったので、チャンスがあれば世界の舞台に 出場したいです。しっかり向き合い、取り組んでいきます。
- 初マラソン、ということで緊張はありましたか?
星:特に緊張するということなく、前日も自然体でした。普段通りにスタートラインに立てたと思います。
- 今回、初マラソンとは思えない冷静なレース運びだと言われていますが、自分から見てどんな性格ですか?
星:レース中は落ち着いて走る、給水などでミスがあったとしても焦らずに落ち着いて、と思っていました。淡々とペースを刻むのが得意で、周りに動じない性格だと思います。普段も同じような感じですかね。どちらかというと慎重なタイプだと思います。
- 子供時代はどんなでしたか?
星:うーん、そうですねえ。子供の頃は、すごくはしゃぐってわけではないですけど、外で遊ぶのが大好きでした。大人になるにつれて、だんだん落ち着いてきたんでしょうね(笑)。
世界の舞台へ向けて。今後の構想
- 今回の優勝で取り巻く環境はだいぶ変わったと思います。
星:自分の中の変化は特にないですが、今後に向けて、競技について考える内容は変わりました。この先の練習計画やレースプランはまだこれから、コーチなどと相談して考えていきます。
- 最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
星:4月から社会人2年目になり、チームに後輩も入ってきます。今まで以上に自覚をもって、飛躍できるように頑張っていきます。今後とも応援よろしくお願いいたします!
PROFILE
星 岳(ほし がく)
1998年9月17日、宮城県出身。学生時代は帝京大学のエースとして箱根駅伝で区間賞を獲得するなど活躍。2021年コニカミノルタに入社。2022年ニューイヤー駅伝では入社1年目にして最長区間の4区を任された。同年の大阪・びわ湖毎日マラソンにて2時間7分31秒で優勝し、初マラソン日本記録を更新。
メンバー紹介(星 岳)