事業における知的財産活動の事例

【プロフェッショナルプリント事業】 

当社は、デジタル印刷システムのカラー最上位機種として、当社初のヘビープロダクションプリント(HPP) 機となる「AccurioPress C14000 シリーズ」を発売しました。※4
「AccurioPress C14000 シリーズ」では、印刷に使用する用紙の設定に際し、内部センサーと、AI により用紙の厚みと種類の自動判定を行う「インラインメディアセンサーシステム」、印刷後の用紙をそのまま搬送して四方断裁や名刺・カード等の複数カッティング処理を行う「インライントリマーシステム」(オプション装備)などの最新技術により、印刷作業工程を自動化し、お客様である印刷事業者に省力化とスキルレスという付加価値を提供します。これらの提供価値を実現する当社独自技術を保護するため、開発初期段階から開発部門と知財部門が一体となって出願方針を策定し、戦略的に特許資産を形成してきました。この結果、インラインメディアセンサーではAI を用いた用紙の厚みや種類の自動判定技術、インライントリマーでは用紙を高速・高精度にカットするトリミング技術などの複数の独自技術を中心として、強固な特許出願網を構築しています。

AccurioPress C14000
インラインメディアセンサーシステム

【ヘルスケア事業 動態】

当社は、X 線動画を用いて診断精度向上に貢献すべく、X線動画解析ワークステーション「KINOSIS」と可搬型デジタルX 線撮影装置「AeroDR fine」を組み合わせたデジタルX線動画撮影システム※5 を2018 年末から展開しています。デジタルX 線動画撮影システムでは、パルスX線を連続照射し、コマ撮りした画像を連続表示することで動画を作ることができます。例えば、胸部X 線動画では、実際の“動き”を見える化し、“動き”を定量化することが可能になります。当社では、顧客起点による価値の把握を進め、キーとなる技術に対して早期権利化対応など戦略的な権利化施策を実行することにより、特許ポートフォリオの強化を進めてきました。また、特許の数だけでなく、当該領域における特許の質すなわち知財資産の価値も、下図に示す通り、年々向上しており、顧客への提供価値を実現する独自技術を保護する特許群を着実に形成しています。

「X 線動態領域」に関する日本特許(公開+特許)
2017 年時スコアマップ※6

パテントスコア最高値

「X 線動態領域」に関する日本特許(公開+特許)
最新スコアマップ(2020 年7 月現在)※6

パテントスコア最高値

※4AccurioPress C14000 シリーズを紹介する当社サイト:
https://www.konicaminolta.jp/business/products/graphic/ondemand_print/accurio_press/index.html

※5一般X 線撮影装置は、株式会社島津製作所「診断用X 線装置 RADspeed Pro」を採用しています。
DR 製品を紹介する当社サイト:
https://www.konicaminolta.jp/healthcare/products/dr/index.html

※6株式会社パテント・リザルト「BizCruncher」を用いて当社作成。円の大きさが各社の特許件数を、横軸が最も評価の 高い特許の評価値を、縦軸が特許群全体の評価値を示しています。