知的財産活動の方向性

当社では、知的財産は重要な経営資源の一つであり、知的財産戦略は経営戦略において不可欠な要素と位置付けています。中長期的な知的財産戦略として、「知的財産戦略2017-2022」を策定し、事業や知的財産に関する環境変化に応じて毎年アップデートするとともに、「質向上のための戦略と施策」及び「人財育成のための戦略と施策」を策定し、知的財産活動を実践してきました。

知的財産戦略 ポイント
知的財産戦略2017-2022 「持続性ある高収益体質」を支える知財力への進化
  • 「基本特許」の獲得と「差別化技術」を囲い込む特許網の構築
  • ノウハウ・データの知的財産戦略への組み込みと活用
  • 特許情報の分析・解析力の強化
  • グローバル知財体制の整備・進化
  • 意匠・商標によるブランド価値向上
質向上のための戦略と施策 知財資産価値の向上
  • 内部評価と外部評価を活用した特許資産の質の定量化
  • 質向上施策の実施と定量化指標を用いた定点観測
人財育成のための戦略と施策 専門知識・スキルとビジネスセンスを兼ね備えた知財プロの育成
  • 基礎スキル・知識の徹底習得
  • 海外ロースクール留学、海外駐在プログラム
  • 技術経営・ビジネススキル習得研修

上記知的財産戦略の実行により、当社が保有する知的財産の価値は着実に向上しています。中長期での成長に向けてキーとなるデジタル技術については、知的財産戦略に基づく活動を特に強化しており、例えば、通信・画像処理技術では、顧客価値に繋がる知的財産創出に向けて、質向上活動を実行した結果、下図の通り特許の質を示すスコアが年々向上しています。
また、知的財産の価値を表す外部評価として、株式会社パテント・リザルトが「他社牽制力ランキング」を公表しておりますが、同ランキング2019 年版において、当社は精密機器業界で4 位となり、2013 年以降トップ5 を維持しています。

権利者スコア経時変化

株式会社パテント・リザルト「BizCruncher」を用いて当社作成。日本特許出願日を2010 年4 月1 日以降に限定して作成。パテントスコア平均値は個別特許の注目度の平均値を、権利者スコアは特許群全体の評価値を示し、両スコア共に数値が大きいほど特許資産の価値が高いと評価されます。

精密機器業界 他社牽制力ランキング2019 上位10社※1

順位 企業名 引用された特許数
1 キャノン 7,505
2 セイコーエプソン 4,528
3 リコー 4,155
4 コニカミノルタ 3,595
5 大日本印刷 2,615
順位 企業名 引用された特許数
6 オリンパス 2,541
7 富士ゼロックス 2,155
8 ニコン 1,789
9 凸版印刷 1,464
10 東京エレクトロン 851

※1「他社牽制力ランキング 2019」を紹介する、株式会社パテント・リザルトのサイト:
https://www.patentresult.co.jp/news/2020/07/fcitprec.html