2023年3月期 第2四半期 株主通信
ごあいさつ
第2四半期は複合機の生産と供給の改善が寄与し、四半期としては黒字に転じました。第1四半期は供給制約と構造改革費用の計上により厳しいスタートでしたが、年間を通じた業績回復に向けて一丸となって取り組みます。
株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
「株主通信2022年秋号」をご高覧いただくにあたりまして、ご挨拶申し上げます。
2022年度第2四半期連結累計期間(2022年4月~9月、以下当期間)における当社の売上高は、5,307億円(前年同期比19%増)となりました。
デジタルワークプレイス事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大による中国工場の稼働率の低下、半導体などの部材供給のひっ迫、物流輸送期間の長期化などの影響により複合機の供給不足が続いていました。これに対して、全社一丸となり部材の確保、生産数の拡大に努めた結果、第1四半期まで積みあがっていた受注残の解消を進捗させ、第2四半期は大幅な増収となりました。プロフェッショナルプリント事業は増収基調を維持しています。インダストリー事業も全体としては堅調に推移していますが、ディスプレイ用フィルム市場の市況低迷への対応に課題があります。また、ヘルスケア事業は、遺伝子検査市場の回復遅れの影響を受けています。
利益面においては、売上高の拡大に取り組みつつ、継続して販売管理費の増加を抑制した結果、事業貢献利益※は7億円(前年同期は29億円の損失)となりました。第1四半期を中心に約40億円の構造改革費用を計上したため、当期間の営業損失は51億円(前年同期は15億円の損失)となりましたが、第2四半期は、四半期の営業利益が58億円の黒字に転換しました。また、親会社の所有者に帰属する当期損失は67億円(前年同期は43億円の損失)となりました。
営業キャッシュ・フローは、製品の増産による棚卸資産の増加が影響し、78億円の赤字となりました。
第3四半期以降も、引き続き供給体制を強化することで受注残を解消し、通期の目標達成につなげます。第2四半期で業績は想定以上に回復し、為替の円安効果なども織り込みますが、欧米での景気減速懸念やディスプレイ用フィルム市場の低迷、遺伝子検査市場の回復遅れを勘案して、業績予想は、売上高11,200億円、営業利益150億円、親会社の所有者に帰属する当期利益55億円とします。年間配当予想は、1株当たり20円で据え置きます。
私が社長に就任してから約半年が経ちますが、この期間に重視したのは、お客様や機関投資家をはじめとする外部との接点強化と、国内外の当社拠点をできるだけ多く訪問し、さまざまな層の従業員と対話し、自分の目で状況を見ることです。これにより、当社の良いところや課題など、改めて多くの気付きを得ました。個人投資家の皆様にも、説明会などを通じてお会いできることを楽しみにしています。
当社の課題の一つは、オフィス事業に依存していた収益構造を変革し、インダストリー事業、ヘルスケア事業、プロフェッショナルプリント事業で新たな収益の柱を確立することです。今回の株主通信では、これらの事業の中で、今後大きく成長する可能性のある取り組みを、特集として取り上げました。最後までご一読いただけますと幸いです。
末筆になりますが、株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
※ 事業貢献利益:売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を差し引いた利益で、当社独自の利益指標。
2022年11月