データセクション
5年間の主要データ
(百万円)(年度) | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
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売上高 | 962,555 | 1,031,256 | 1,059,120 | 996,101 | 863,381 |
営業利益 | 50,135 | 53,844 | 62,444 | 8,211 | -16,266 |
研究開発費 | 73,275 | 77,021 | 78,395 | 74,040 | 65,034 |
特許保有件数 | 21,611 | 21,276 | 20,235 | 20,453 | 19,814 |
国内 | 13,168 | 12,926 | 11,678 | 11,757 | 11,083 |
国外 | 8,443 | 8,350 | 8,557 | 8,696 | 8,731 |
特許取得件数 | 2,118 | 2,269 | 2,053 | 2,198 | 1,850 |
国内 | 1,380 | 1,473 | 1,183 | 1,226 | 1,234 |
日本企業中順位※1 | 22 | 12 | 22 | 19 | 11 |
国外 | 738 | 796 | 870 | 972 | 616 |
米国特許取得件数 日本企業中順位※2 |
19 | 24 | 21 | 24 | 22 |
審査請求率 | 76.7% | 48.2% | 79.3% | 64.5% | 82.0% |
特許査定率 | 84.0% | 83.0% | 81.1% | 83.0% | 76.4% |
※1特許庁発行の「特許行政年次報告書 2021 年度版」の情報に基づく特許取得数の順位。
※2Intellectual Property Owners Association(Top 300 Patent Owners)の情報から推定した順位。
- IFRS基準
- 特許取得件数:国内=日本特許、国外=米国,中国特許
- 保有件数:国内=日本特許、国外=米国,中国特許
- 審査請求率=審査請求件数/審査請求期限日が年度中にある案件数
- 特許査定率=特許査定件数/(特許査定件数+拒絶査定件数+ファーストアクション後の取下げ・放棄件数)
中期経営計画に基づいた各事業計画に連動して、質の高い特許ポートフォリオの構築に努めています。保有する日本特許権について、2020年度は、約1200件を新たにポートフォリオに組み入れ、約1900件の維持を中止することにより、各事業計画に連動したポートフォリオの構成の見直しを進めました。その結果、2020年度は前年に比べ日本特許保有件数は減少しています。
売上の約80%が海外となっている当社にとっては海外の知的財産権の取得が非常に重要です。日本と同様に海外の特許についても事業計画に応じたポートフォリオの形成に努め、厳選した日本出願から、さらに重要な発明を選び、米国、中国等に特許出願し、ワールドワイドでの特許保有件数を増加させています。
各事業のフェーズや技術領域に応じて、最適な特許ポートフォリオを構築するために、出願及び権利化する案件の厳選も継続して進めております。審査係属中の出願の再評価・厳選を行った結果、2020年度の特許査定率は前年度から若干低下し、76.4%となりました。しかしながら、保有している特許の質を評価する指標の1つであるパテントスコアの平均は2019年度に対して+1.1%向上しており、出願・権利化案件の厳選が質の高いポートフォリオの構築につながっています。引き続き、ポートフォリオの最適化により、知財投資効率を高め、事業への貢献度を高めていきます。
データハイライト
知財ポートフォリオ転換
当社のオフィス事業に続く柱となる事業を確立すべく、事業ポートフォリオ転換を進めている中、対応する知財ポートフォリオへの転換に向けた知財投資を実行しています。2019年度までの各年度における特許出願の事業別構成比率において、収益力強化が期待されているプロフェッショナルプリント事業、画像診断を中心とするヘルスケア事業は拡大傾向にあります。インダストリー事業では、データやノウハウとして秘匿すべき生産技術や生産設備そのもの、顧客要望への迅速な対応力等、様々な無形資産がその競争優位の源泉となっており、特許は厳選されたコア技術を中心に出願する戦略に移行しています。この結果、インダストリー事業では高い投資効率で質の高い特許ポートフォリオが形成されています。このように知的財産面から事業ポートフォリオ転換をサポートしています。
※1株式会社パテント・リザルトの特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて当社にて作成しました。
円の大きさがの特許件数を、横軸がパテントスコアの平均値を、縦軸が2018-2020年度の平均営業利益率を示しています。
投資効率の高い知財ポートフォリオ
当社では、事業ポートフォリオの転換に対応した知財ポートフォリオが質の高い特許で構成されるよう、投資効率を高める取り組みを行っています。この取り組みが適切に機能しているかは例えば、他社特許の審査において引用された特許(被引用特許)を分析することにより確認できます。被引用特許は、技術としての先行性があり、他社の関心度が高いと考えられます。被引用されうる特許の総数は特許出願を行うことにより年々増加しますが、質の低い特許権の放棄や権利満了等により、被引用されうる特許に対する生存特許の割合は減少傾向を示します。一方、当社では、全被引用特許に対する生存している被引用特許の割合は、ほぼ一定を保っています。これは、先行性あるもしくは他社に魅力ある発明を見極めて出願、維持する取り組みにより、生存特許のうちの質の高い特許の割合が高く維持され続けていることを示しています。
図15は2015-2018年に出願日を有する当社特許のうち、2020年度に他社特許の審査で引用された特許の事業部門別の比率を示しています。このデータからもインダストリー事業において質の高い特許ポートフォリオが形成されていることがわかります。
意匠・商標
当社は、社名「KONICA MINOLTA」及びシンボルマークについて、約180カ国において商標の出願・権利化を行っています。ブランドイメージの維持・向上のために、商品やサービスの名称についても戦略的に商標権を取得しております。2020年度には、当社独自の画像技術と最新のIoT・AI技術を組み合わせて実現した画像IoTプラットフォームのブランドとして「FORXAI(フォーサイ)」を立ち上げました。「先見性:Foresight」と「AIを社会のために:For X AI」という2つの思いを込めたこのブランドを守り育てていくため、国内外において商標出願・権利化を進めております。2020年度末におけるワールドワイドでの当社商標権保有件数は約2,800 件となっています。
また、デザイン※に関しては、ブランド構築の重要な手段として創作に努めており、2020年度は介護施設コミュニケーションサービスの「HitomeQ コネクト」や複合機など6製品がデザインを評価され、国内外で賞を受賞しました。カラープロダクションプリンター「AccurioPress C14000 / C12000」は、公益財団法人日本デザイン振興会主催の「グッドデザイン賞」、ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター主催の「Red Dot Design Award」、ドイツの iF International Forum Design GmbH が運営する「iF Design Award」を受賞し、印刷事業拡大への意欲を高めるフラッグシップ機に相応しいデザインが高く評価されています。2020年度末におけるワールドワイドでの当社意匠権保有件数は約530件となっています。
※コニカミノルタのデザイン
https://www.konicaminolta.com/jp-ja/design/index.html
外部評価
2020年度地方発明表彰(公益社団法人発明協会主催※1)において、当社の特許権4件が発明奨励賞を受賞しました。
発明名称 | 特許番号 | |
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発明奨励賞 | 両面に形成された画像の位置を監視する画像読取装置 | 特許第6547647号 |
発明奨励賞 | 画像形成装置に用いられる中間転写体 | 特許第4577362号 |
発明奨励賞 | 高速高画質印刷を実現するインクジェットインク | 特許第4556414号 |
発明奨励賞 | ニオイ可視化装置 | 特許第6508440号 |
※1公益社団法人発明協会「令和2年度関東地方発明表彰受賞者一覧」
http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/R2/jusho_kanto/
また、知的財産の価値を表す外部評価として、株式会社パテント・リザルトが「他社牽制力ランキング※2」を公表しておりますが、同ランキング 2020 年版において、当社は精密機器業界で 4 位となり、2013 年以降トップ 5 を維持しています。
※2株式会社パテント・リザルト「他社抑制力ランキング2020」
https://www.patentresult.co.jp/news/2021/08/fcitpre.html
社会課題の解決に向けた知財投資に関する外部評価としては、一般財団法人日本特許情報機構(Japio)によるSDGs技術企業ランキング※3において「8 働きがいも 経済成長も」で5位と高い評価を獲得しています。
※3一般財団法人日本特許情報機構によるSDGs企業ランキング(日本))
https://transtool.japio.or.jp/work/show_sdg.php?mode=prev_year