ガバナンス
知的財産活動を支える体制

知的財産マネジメント体制

当社では代表執行役社長による経営判断のもと、知的財産を担当する役員がグループの知的財産マネジメントを推進する責務を担います。知的財産を担当する役員は経営基幹会議の定席メンバーとして参加し、知的財産方針を含むグループ全体の経営重要事項について審議します。経営戦略に基づく知的財産方針は、知的財産部門と各事業部門へ共有され、各事業における市場環境や商流等を考慮して効果的な単位で知的財産戦略を構築し、密に連携しながら戦略の推進・実行を図ります。知的財産部門は「各事業部門における知的財産戦略策定・実行、特許等の出願・権利化」と「全社横断的な知的財産戦略推進、知的財産リスクマネジメント」の機能別に組織を編成し、それぞれ事業部門や企画管理部門と連携し効果的に知的財産戦略を実行できる組織を構築しています。

図6.知的財産マネジメント体制概略図

グループ会社への知的財産活動支援

知的財産等の無形資産が企業競争力の源泉として一層の注目を集める中、知的財産に起因する事業機会の逸失や重大リスクの発生がないように、国内外の開発拠点における知的財産の権利化・クリアランス(第三者の知的財産権を侵害していないか確認するための調査)の体制整備を進めています。知的財産部門においては、各拠点の事業環境、開発の対象・スピードなどは多種多様であることに鑑み、各拠点に対して細やかなヒアリングを行い、それぞれに適応した権利化・クリアランス体制を提案し、その構築をサポートしています。これらの支援を通じて各拠点における権利化・クリアランスの確実な実施を推進することにより、グループ会社一丸となった知財資産の形成、侵害リスクの回避を実現し、企業競争力の向上・企業収益の拡大へと繋げています。

イノベーション創出のマネジメント体制

事業環境変化のスピードが高まる近年、企業が持続的に成長するために、時代の変化に即した新規領域の事業開拓が不可欠となっていますが、新規領域でのイノベーション創出には既存事業と比較して多くの非効率性・不確実性を伴います。当社では新規領域でのイノベーション創出をより効率的に実施するための仕組みとして事業のステージ毎に独自技術やビジネスモデルを仮説検証するイノベーション創出マネジメント体制を構築しています。そして、仮説検証の中で知財情報を用いた経営判断を実施しています。知財情報を用いた仮説検証の例としては、新規領域における他社特許ポートフォリオを分析することで、技術的な動向や競合・アライアンス関係、自社のポジションを把握し、ビジネスモデルの独自性や、事業の拡張可能性・持続性の確からしさを検証することが挙げられます。