「情報機器メーカー」から「X線撮影装置のソフトウェア開発」への転職ソフト開発の豊富な経験
医療分野は未経験。ソフトだけではなく「製品を作りたい」と志望。
技術への自信が認められて採用され、新たなキャリアを手に入れる。
- 上司出口 俊
- 転職者久保田 哲生ヘルスケア事業分野
開発統括部 - プロフィールを見る
なぜ転職を考えた?
- 出口
- 久保田君は、医療とはまったく関係ない業界からの転職だよね。
- 久保田
- ええ。前職は情報機器のメーカーで、製品に搭載されるソフトウェアの開発に携わっていました。私はコニカミノルタが3社目のキャリアで、大学を卒業して最初に就職したのは、カーナビゲーションのソフトウェアを開発する会社でした。
- 出口
- ソフトウェア開発の専門企業から、メーカーに転職したというわけだ。
- 久保田
- そうです。新卒で就職する時には「ソフトウェアのエンジニアとして一流になりたい」と考えて専門企業を選んだのですが、経験を積むうち、「製品を世の中に出したい」という思いが強くなってきて、それで情報機器のメーカーに転職したのです。
- 出口
- その後、どうしてまた転職を考えるようになったの?
- 久保田
- その情報機器メーカーでもソフト開発に配属されましたが、そこは商品ベースで設計するセクションではなく、結局「製品を作り上げる」という手応えを味わうことができませんでした。希望の仕事ができる部門に異動するには転勤しなければならず、それも現実的ではありませんでした。これからの社会人人生を考えた時、もっと外の世界にも目を向けて、自分が培ってきたソフトウェアの技術を活かして本当にやりたいことができる場でキャリアを積みたいと、再び転職を考えるようになりました。
面接では何をアピールした?
- 久保田
- 面接では、自分の「技術」についてアピールしました。カーナビや情報機器などいろんな製品に関わってきましたし、また、ファームウェアからアプリケーション、さらには通信関連まで一通りのレイヤーを経験。ソフトウェアの開発については自信があると訴えました。
- 出口
- 確かにスキルについてはまったく問題なかった。ところで、コニカミノルタのヘルスケア事業のことは以前から知っていたの?
- 久保田
- 実は、知人がこちらで働いていて、「とてもやりがいがある」という話をうかがっていました。その方に相談したところ、ここなら「新しい製品を作り上げる」という私のやりたいことができると感じて応募したのです。
- 出口
- ヘルスケアという未経験の領域にチャレンジすることに不安はなかった?
- 久保田
- 確かに不安はありましたけど、その知人の方が「まったく違う業界から転職してきている人もたくさんいるよ」と聞いて、それで自分も何とかなるのではないかと。
- 出口
- キャリア入社の方にもきちんと専門の研修が用意されているしね。
彼のどんなところが評価された?
- 出口
- 私が直接、久保田君の面接にあたったわけではないけれど、担当した上司は「自分の技術に自信を持っている」と評価していたね。そして、ハキハキとした様子も好印象だったと。
- 久保田
- 一生懸命、自分の技術をアピールして良かったです(笑)。
- 出口
- あと、自分の考えをきちんとまとめて、的確に表現できることも評価が高かったとのこと。
- 久保田
- 以前の会社では機能リーダーを務めていました。難しい問題にぶつかった時、ホワイトボードで整理して解決の方向に持っていくという、そうしたファシリテートの経験もかなり積んでいましたので、そうした点も認めていただいたということですね。
- 出口
- 実際、久保田君に「これ、任せるから」と丸投げしても、ちゃんとまわりと関わって仕事をきちんと進めてくれるので、本当に助かってるよ(笑)。
入社後感じたギャップは?どう乗り越えた?
- 久保田
- エレキやメカといったハード側の技術者の方々と接するのが新鮮でした。いままでは、ソフトの技術者しかいない環境でずっとキャリアを積んできましたので……。
- 出口
- 我々のグループは、X線撮影装置のFPD(フラットパネルディテクタ)を担当しているんだけど、エレキもメカもソフトもひとつのチームで開発を進めていくからね。
- 久保田
- 最初の頃は、打ち合わせの場ですぐ隣にエレキやメカの技術者の方がいらっしゃって、話されている内容が分からないことだらけでずっと嫌な汗をかいてました(笑)。ソフトの技術者が、エレキやメカのことをどこまでおさえておけばいいのか、その勘所が分からず少し苦労しました。
- 出口
- 深いところまで究める必要はないけど、広く浅く理解しておくことは求められるよ。ハード側でどういう機能を実現しようとしているのか、それを理解できるぐらいの知識は必要だね。
- 久保田
- 分からないことは、とにかくまず自分で調べてみて、素直に聞くようにしました。まわりの技術者の方々はみなさん、本当にいい人ばかりで……最初は恐る恐る質問していたんですが(笑)、みなさん気さくに応じてくださって、尋ねればとても丁寧に教えてくださるので、それはとても救われました。以前転職した時よりも、職場になじむまでのスピードははるかに速かったですね。
- 出口
- 技術については、特にギャップは感じなかった?
- 久保田
- そうですね。技術の面ではスムーズに仕事に入ることができました。組み込み系の汎用的な技術はここでも通用しますし、ネットワークやインターフェイスまわりの開発も以前に経験していましたので、それも活きています。「こう開発したい」と言えば、出口さんも「やっていいよ」と、どんどん仕事を任せてくれますし……。
- 出口
- うちの会社では、自分が何をやりたいかをきちんと示すことが大切。その方向が間違っていればきちんと正すし、方向が合っていればその人に任せる風土なので、やりたいと思う人に委ねたほうが、モチベーションも上がるし、アウトプットも高い。会社も個人もお互いにハッピーになれる。
- 久保田
- あと、製品全体のソフトウェアが見えることにも面白さを感じています。以前に手がけていたカーナビや情報機器は、ソフトウェアの規模が非常に大きく、自分が担当するのはそのごく一部でした。ここでは全体に関われるので、「モノを作っている」という実感がありますね。しかも作っているのは、人の命に関わる医療機器。まだまだ進化の余地が残されていて、そこでいままでにないものを作ろうとしているわけですから、本当に大きなやりがいを感じています。
いまの彼の評価は?
- 出口
- 入社してしばらく経ったけれど、久保田君はまだまだ遠慮しているところがあるように感じるね。「やりたい」と思ったことは、別に私にお伺いを立てなくてもいいから、どんどんチャレンジしていいよ。「これはダメそうだ」と思ったらちゃんと止めるから(笑)。もし失敗しても、それは貴重な糧になる。あと、エレキやメカの技術者に対して「ここまで口出ししてもいいのか?」と、ためらっているところがあるんじゃないの?
- 久保田
- 私のことを見抜いてますね(笑)。確かに、ちょっと遠慮しているところはあるかもしれません。
- 出口
- 他の領域についても、どんどん意見を言っちゃっていい。私も生意気だったし(笑)。でも、それで嫌な顔をされるようなことは絶対にない。お客様のためになることであれば、ソフトの技術者がハードの技術者に対して「こうしてほしい」と提案することは、むしろ歓迎される。そういうところがコニカミノルタの魅力だと思う。
- 久保田
- これからそう心がけます。ここでは、いろんな技術領域に関わっていくのでキャリアの幅はいくらでも広げられますよね。たぶん、「ハードの勉強をさせてほしい」と希望したら、チャンスを与えてもらえると思いますし……。
- 出口
- もちろん。うちのグループはX線画像装置に関することはすべて手がけているので、入社した後も、自分に枠をはめなければ、いろんな技術を楽しめる。久保田君もぜひ、これから大いに開発を楽しんでほしいね。
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転職者のプロフィール
2012年コニカミノルタ入社。学生時代の専攻は機械工学。卒業後はカーナビ向けソフト開発の専門企業へ。その後、大手情報機器メーカーに転職し、プリンターのソフト開発に従事。「製品づくり」を存分に堪能したいと、コニカミノルタを新たなキャリアの場として選ぶ。
※所属、職名等は、インタビュー当時のものです。