Guideコニカミノルタ転職ガイド

「電子部品メーカー」から「医療画像機器のハード開発」への転職アグレッシブな推進力

基板設計の経験を元に、社会貢献を実感したいとコニカミノルタへ。
周囲を巻き込みながら、持ち前の行動力で医療機器の開発をドライブ。

写真:濱野 好正
上司濱野 好正
写真:小宮 聡
転職者小宮 聡ヘルスケア事業分野
技術開発部
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なぜ転職を考えた?

濱野
小宮君は、電子部品のメーカーから転職してきたんだよね。
小宮
はい。そちらで半導体を中心にハード設計を手掛けていたのですが、リーマンショック後から半導体業界の景気が落ち込んで、なかなかやりたい仕事ができなくなってきたんです。あと、こちらに入社する1年ほど前に、実際には始動しなかったのですが、医療機器関連のプロジェクトにかかわる機会があり、この分野に関心を持ったのも転職を考えた大きな理由の一つです。
濱野
それで医療機器を手掛ける当社を志望したというわけだ。
小宮
それまではテレビやDVDなどの画像関連の開発に主にかかわっていて、身近な製品ではあったのですが、自分の技術がどんどん使い捨てられている感じがして、正直、あまりやりがいを覚えられませんでした。でも医療関連なら、社会貢献を実感できる。この分野で是非自分の力を試してみたいと。
濱野
コニカミノルタが医療機器に力を入れていることは、前から知っていた?
小宮
実は、前の会社はコニカミノルタと結構お付き合いがあって、その頃から「いろんな技術を持った会社だな」と注目していました。私が経験を積んできた画像系の技術はもちろん、光学系や医療系も強い。複合的な技術を有しているので、ここなら面白い開発ができそうだと志望しました。

面接では何をアピールした?

小宮
面接でアピールしたことといえば……「前向き」なところですかね。私自身、仕事に対しては決してネガティブにならないタイプなので。
濱野
確かにそれが、当社で仕事をする上ではいちばん大切なこと。
小宮
あとは、これまで培ってきた設計経験もアピールしました。医療機器もそうですが、最近のエレクトロニクス製品はワンチップ化が進み、ソフトウェアの比重が大きくなっていて、ハードの設計者が世の中を見渡してもだんだん減っているように思います。だから逆に、ハードの設計経験のある技術者は重宝されて、活躍の場が多いのではないかと。
濱野
その通り。当社は元々フィルムを究めていたこともあって、化学系には強い。でも、エレクトロニクス系はまだまだ発展途上。この領域を強化していく人財を必要としていて、小宮君のキャリアはちょうど私たちが求めていたものだった。

彼のどんなところが評価された?

濱野
小宮君に最初に会った時の印象は、タフな感じで、彼なら仕事でつぶれないな、と(笑)。
小宮
やはり精神面が評価されたのですね(笑)。
濱野
先ほども触れたけれども、「前向き」な姿勢、つまりアグレッシブに自分から働き掛けて物事を推進していく力が、ここで仕事をする上で最も重要なこと。「待ち」の姿勢で臨む人は、この組織で働くのは厳しいと思う。私たちはいま「医療画像分野でNo.1になる」という大きな目標を掲げて挑んでいる。決してまだ完成された組織ではないし、開発の仕組みも作り上げている最中だ。そんな中で強く立ち回れる人であってほしい。
小宮
確かに、求められる判断のスピードは以前とは比べものにならないほど速いですし、個人にゆだねられる責任も大きいです。
濱野
加えて、やはり技術者としてのベースも必要。きちんと技術が分かっていなければ、自分が作りたいものを形にはできないから。お客様のために、志高く「モノづくり」に取り組める、そんな人財を私たちは求めているんだよね。

写真:対談の様子

入社後感じたギャップは?どう乗り越えた?

小宮
入社後は、画像入力系システムのエレキ関連の開発に携わることになりました。電子回路基板の設計などは前職で経験していたこともあって、技術的にハードルを感じることはそれほどなかったのですが……。
濱野
当社の医療機器の画像システムの主な製品は、CR(Computed Radiography)やDR(Digital Radiography)といった画像入力系の機器、これから主力となるFPD(Flat Panel Detector)はいってみれば「巨大なデジタルカメラ」。使われている技術も、例えばFPGAなど民生用とほとんど同じだから、その分野で経験のある小宮君は比較的スムーズに業務に入れたんじゃないかな。
小宮
でも、民生用とはスケールがまったく違いました。医療機器というのは独特な製品で、初めて中身を見た時は、使われている部品の種類の多さに驚きましたね。それに何より、求められる品質が民生用とは次元が違う。人の命に直結する製品ですから、妥協は許されない。民生用ですと、スピードやコストを優先してスペックを緩和することもあるのですが、そうしたアプローチはここではあり得ない。
濱野
製品の品質・信頼性をどう確保するか、というのはやはり最も頭を悩ますテーマの一つだね。
小宮
あと、入社して感じたのは、本当に多くの人とかかわって開発を進めていくということ。そこに最初は少し戸惑いました。これまでは、部品としての半導体や基板を開発することがミッションでしたから、20名ほどの設計チームの中ですべて完結できた。でも、ここでは一つの製品を作り上げることがゴールであり、そのためにはメカやソフトの部隊とも密に連携しなければならない。メカの技術者と絡んで開発した経験などありませんでしたし、いまはエレキ系の設計リーダーを任せていただいていることもあって、そうした他部門のリーダーの方々と議論や折衝を重ねながら開発していくというのは、かなりパワーを要しますね。
濱野
当社はまだそれほど大きな組織ではない。だから一人ひとりにある程度の権限をゆだね、個人が自分でやるべきことをオペレーションし、開発にドライブを掛けていく体制であるべきだと考えている。周囲を巻き込んで仕事を進めていくのは、当社のすべての技術者に求められる姿勢だね。
小宮
確かに大変なことも多いのですが、製品全体にかかわれることにはとてもやりがいを感じています。部品メーカーでは味わえなかったことですから……。
濱野
この開発は、全体の完成図をイメージしながら、いろんな部門とかかわってパズルを組み合わせていく、そんな醍醐味(だいごみ)があると思う。しかも、リーダークラスになると、自分が動かせるパズルのピースも大きい。それはここで働く大きな魅力だと思うね。

いまの彼の評価は?

濱野
期待していた通り、アグレッシブな姿勢で開発を前に動かす力になってくれていると思う。ただ、思い切りが良過ぎて、あらぬ方向に突っ走ってしまうこともたまにあるけど……(笑)。
小宮
すみません(笑)。
濱野
まあ、それを修正するのが私の役目だけれどもね。これから小宮君に求めたいのは、「どういう製品を作りたいのか」そして「どうお客様に貢献したいのか」という明確なイメージを抱いてほしいということ。それがすべての原動力となる。当社が新たに開発したFPDも、従来のX線フィルムを入れていたカセッテと同等のサイズでX線撮影できるようにした点が革新的であり、これによって画像診断業務を大幅に効率化することができた。小宮君も、医療の現場に携わるお客様のために知恵を絞って、是非新たな製品の開発をリードしてほしい。
小宮
お客様が何を求めているのかをつかむ上で、先日参加させていただいた病院研修は大変良い経験になりました。一週間ほど、医師や技師の方々に密着して、病院内で機器が実際どのように使用されているのかを視察したのですが、医療現場の最前線にいる方々の生の声を聞くことができましたし、私たちが開発した機器が患者さんの役に立っている様子を目の当たりにして、モチベーションがさらに高まりましたね。
濱野
ここは、主張すれば意見が通る風土だし、任された領域については技術的に深堀りできる環境だから、やりたいことを実現できるチャンスは大いにあると思うよ。
写真:小宮 聡

転職者のプロフィール

2010年コニカミノルタ入社。大学時代は電気・電子工学を専攻。卒業後、東証一部上場の電子部品メーカーへ。半導体や基板の開発に携わり、設計チームをまとめるリーダーとして活躍。13年間そのメーカーに勤務した後、コニカミノルタに転職。

※所属、職名等は、インタビュー当時のものです。