ガラスレンズ
コニカミノルタは研磨とガラスモールド、両方の技術を保有しています。研磨レンズでは汎用レンズの多量生産から超高精度研磨まで、あらゆる要望にお応えします。
モールドでは精密金型技術と独自の成形技術により、高NA(開口数)レンズをはじめ、角型レンズ、レンズアレイなど多様な製品を提供できます。
ご提供できる製品例
超高精度研磨レンズ
車載レンズ、プロジェクタ用レンズ、カメラ用交換レンズ等の光学製品に使用されるガラスの球面レンズ・プリズムを研磨加工しています。ガラス研磨の要求仕様の中で、製品の光学性能に最も影響が大きな評価項目は形状誤差で、研磨面の有効範囲において、要求形状との差異をどれだけ小さくできるかが重要です。ガラス研磨では、形状・ガラス材料・必要精度によって加工条件が異なり、その加工ノウハウをレンズ毎に見出す必要があります。特に、最先端の対物レンズ用球面レンズでは、λ/40(約16nm)という非常に高い精度が要求され、レンズ直径をスカイツリーの高さとすると、一円玉の厚み程度の精度で形状誤差をコントロールしています。
量産加工実績例:
・球面レンズの外径サイズが数mm~150mm。
・材料:通常ガラスだけではなく、軟硝材の蛍石や硬い合成石英といった特殊硝材も加工可能。
・面精度:外形サイズΦ150㎜のときλ/2(約316nm)、外形サイズΦ30㎜のときλ/10(約63nm)、外形サイズΦ5㎜のときλ/20(約32nm)
微小角形状ガラスモールドレンズ
通信光学系などで使用される微小な角形状レンズ(両面非球面形状可)を、外形加工レスモールド成形や、アレイモールドレンズからの切断二次加工で作製可能です。
これを可能にしている技術が、独自のガラス成型法である液滴ガラスモールドです。
実績例:角形状レンズ最小サイズとして1mmx0.8mm(切断品)、切断二次加工を施工しない単玉成形では1mmx0.6mm。
寸法公差:外形±0.01mm以下、外形と光学面中心の位置精度±0.005mm。
性能:透過波面精度で50mλrms以下(@1310nm)の製品が製造可能。
両面変曲点ガラスレンズ
コニカミノルタ独自の液滴ガラスモールド技術の特徴である、ガラス滴下受け面側の形状自由度の高さを生かし、従来の再加熱成形では成形困難な、両面に変曲点のあるガラスレンズ(通称カモメレンズ)の製造が可能です。
このレンズは、低背なカメラでは必須の形状となっていますが、これをガラスで製造することで、温度変化に強いオールガラスレンズの極低背カメラモジュールが実現できます。
実績例:
・外形サイズ:~Φ9mm
・面間偏芯精度は、5μm以下(精密)、7.5μm(汎用)。
・中心厚精度は外形サイズΦ5mmまでの時で±0.005mm(精密)、±0.01mm(汎用)、Φ5~Φ9mmの時で±0.009mm(精密)、±0.015mm(汎用)。
・面精度(PV)は外形サイズΦ5mmまでの時で0.3μm以下(精密)、0.9μm以下(汎用)、Φ5~Φ9mmの時で0.4μm以下(精密)、1μm以下(汎用)。
応用例
光学面 球面、非球面、自由曲面、DOE(回折)、シリンドリカル面、レンズアレイ など
外形状 円形、矩形、異形状(I-cut(Iカット)、D-cut(Dカット)、etc.)
コート ARコート、反射コート、撥水、親水など 各種機能性コーティング
組 立 光学設計・機構設計を行い、レンズユニットとしての提供も可能です