1. 譲渡の理由

当社は、中期経営計画（2023-2025）において、「事業収益力の強化」「収益基盤強化のための構造改革を実行」「事業管理体制の強化」の3つの方針を掲げており、事業収益力の強化として事業の選択と集中を進めています。各事業の位置づけを「強化事業」「収益堅守事業」「非重点事業」「方向転換事業」の4つに区分してその役割と期待を明確にしており、画像IoTソリューション事業を方向転換事業と定め、収益改善のための戦略方向性の再設定を行っています。
当社は、2016年にMOBOTIX社が持つ分散処理型IPカメラ、画像データ圧縮技術、画像データ解析技術の獲得、共同開発を図ることを目指し、約65％の株式を取得し、当社の画像ソリューション事業とのシナジーにより新規事業を創出し、対候性や安定性の強みを生かし、労働安全や自然災害リスクの低減などの顧客への価値提供に貢献してきました。
MOBOTIX社は、コロナ禍における市場の減退や半導体部材の供給制約、欧州の地政学リスク等の影響を受け、当初の想定を下回る事業環境にありましたが、直近では市況の回復や新製品の成果もあって改善傾向を示しております。
当社は、安全、安心という社会的価値の高い、また市場成長が予想されるビデオサーベイランス市場において、MOBOTIX社のさらなる成長加速の実現に向けて第三者資本の活用の検討を進めてきました。このたび、MOBOTIX社の当社の保有する全株式およびMOBOTIX社への貸付金を、Certina社に譲渡することが最善の選択であると判断いたしました。
なお、当社の画像IoTソリューションユニットは、安全、安心領域を中心とした付加価値の高いビデオソリューションサービスを継続していきます。

2. 異動する子会社の概要

（注）2022年9月期および2023年9月期にMOBOTIX AG社に関するのれんの減損損失を計上しておりますが、のれんの減損損失は連結調整で計上しており、上記の被投資会社の財務諸表には計上されません。

3. 譲渡先の概要

4. 譲渡株式数、譲渡価額及び譲渡前後の所有株式の状況

譲渡価額につきましては、当事者間の守秘義務により開示を控えさせていただきます。

5. 日程（中央ヨーロッパ時間）

（注）本株式譲渡の実行は、関係当局の承認の取得等を条件としており、これらの進捗状況によっては変更される可能性があります。

6. 今後の見通し

本株式譲渡の契約締結に伴い、本株式譲渡契約の締結による営業損失約100億円を、2025年3月期第４四半期に計上する見込みですが、為替相場の変動等により最終的な本株式譲渡契約の締結による営業損失は変動する可能性があります。本件は、当期連結業績予想（2025年2月6日公表分）には含まれておりませんが、本件以外の事業譲渡に伴う損益などその他の変動要因を含めて、2025年3月期の当社連結業績に与える影響については現在精査中であり、今後開示すべき事項が生じた場合には速やかにお知らせいたします。

（注）本資料における為替レートは、1ユーロ＝155円（計画レート）を前提としております。

以 上

（参考）当期連結業績予想（2025年２月６日公表分）及び前期連結実績

（注1）売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出した利益指標

（注2）プレシジョンメディシン事業を非継続事業に区分表示することから、2025年3月期通期連結業績予想において、売上高、事業貢献利益、営業利益は継続事業の金額を表示し、親会社の所有者に帰属する当期利益は、継続事業及び非継続事業の合算を表示しております。また、前年実績については、非継続事業の分類に伴う遡及修正前後の数値を記載しています。