ニュースリリース

世界最大のAIコンペ「Kaggle」で当社データサイエンティストが金メダルを受賞
生産DXを支える最適化技術を活用

2025年3月7日

コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大幸 利充、以下 コニカミノルタ)のデータサイエンティストが、世界最大のAIコンペプラットフォーム「Kaggle(カグル)」主催の「Santa 2024 - The Perplexity Permutation Puzzle」で13位に入賞し、上位入賞者に授与される金メダルを受賞しました。
Kaggleのコンペには世界トップレベルのデータサイエンティストや機械学習エンジニアが多数参加しており、この度の受賞は、コニカミノルタのデータサイエンティストの発想力と技術力が世界的に認められたものと考えています。
今回のコンペはコニカミノルタのデータサイエンティストと電気通信大学の原田慧教授(情報学専攻)をはじめとするメンバーとの合同チームで参加し、受賞につながりました。

【受賞者】

コニカミノルタ株式会社
技術開発本部 データサイエンスセンター 山口 剛

コメント:
このたび、お世話になった電気通信大学の先生方とともに金メダルを獲得できたことを、大変うれしく思います。Kaggleは、世界中のデータサイエンティストが同じタスクに取り組み、さまざまなアプローチを共有できる数少ないプラットフォームであり、学びの場として非常に有用です。
本コンペで得られた知見を業務に還元するとともに、個人的にはKaggle Masterという上位の称号を目指し、さらなる研鑽を重ねてまいります。

Kaggle受賞者の山口剛

【 コンペの概要と成果 】

今回のコンペ「Santa 2024 - The Perplexity Permutation Puzzle」では、最大100個の英単語からなる文章を並び替え、大規模言語モデルにとって最も自然な文章を作ることが課題でした。膨大な単語の組み合わせから、効率的に解を探索する必要があり、非常に難易度の高いコンペでした。

コニカミノルタのデータサイエンティストと電気通信大学のメンバー3名で構成されたチームは、焼きなまし法*1、遺伝的アルゴリズム*2、反復局所探索法*3などの様々な手法を組み合わせ、高得点をマークしました。特に、局所的な最適解に陥らないように、巡回セールスマン問題(TSP)*4にも使用されている近傍操作を複数導入し、かつ実験のハイパラメータを適切に調整することで、効率的に最適解を見つけることに成功した結果、好成績を収めることができました。
今回のコンペで採用した手法の一部はコニカミノルタの生産DXにも応用され、多様な制約を考慮した生産条件、物流ルートや生産計画の最適化に役立っています。

遺伝的アルゴリズムの概要
遺伝的アルゴリズムの概要

【 コニカミノルタの生産DX 】

コニカミノルタは、中期経営計画とその後の持続的な成長を実現するため、人財強化・労働生産性の向上施策としてDX(生成AI活用など)による全業務の生産性向上を目指しています。例えば、生産拠点の改善活動で培った現場力と、先端ICTを駆使したデジタルマニュファクチャリングの融合による「生産DX」をコンセプトに、効率向上と環境負荷低減を目指した生産体制整備を進めています。
今回のコンペに参加したデータサイエンティストをはじめとする、高い技術を保有した生産DX人財がコニカミノルタの生産・調達基盤強化を支えています。

*1 最適解を求めるために一定の確率で結果が悪くなる方向にも遷移するアルゴリズム
*2 生物の進化に着想を得た最適化手法で選択、交叉、突然変異などの操作を行い最適化を目指すアルゴリズム
*3 局所的な最適解を導きつつ、近傍の解からさらに良い解を導くアルゴリズム
*4 複数の都市と都市間の移動時間から、全ての都市を回る移動時間が最小になるルートを探索する問題

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