ニュースリリース
高精度・高信頼性を追求した
分光測色計の最上位機種「CM-3700A Plus」を発売ハイレベルな品質を目指すユーザーに安定と安心を提供
2024年12月18日
コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大幸 利充、以下 コニカミノルタ)は、分光測色計の最上位機種「CM-3700A Plus」を発売することを発表しました。
製造業における品質管理において、計測装置による色彩管理はとても重要な要素となっています。コニカミノルタの測色計はその優れた信頼性・多機能性で、自動車、電機・スマートフォン、化粧品、塗料、プラスチック、建材、繊維など、色に対する測定・管理が要求される業界において、品質管理、生産、研究開発などで幅広く活用されています。
「CM-3700A Plus」は、多くの国内外の企業で高い評価を得て、物体色測定の基準器として多数の導入実績をもつ「CM-3700A」の後継機種で、高精度・高信頼性を追求した分光測色計の最上位機種です。コニカミノルタの光学技術を駆使し、世界トップレベルの精度を実現しました。さらに、位置合わせがしやすい電子ビューファインダーや、色と同時に測定できるサンプル温度計などの新機能を搭載し、より厳密な色管理を実現します。「CM-3700A Plus」は、色管理において基準器として使用されることを鑑み、従来機種との高い互換性をもたせるとともに、高耐久性の部品の採用により、長期間に渡って信頼できる測定値を安定して提供し、ものづくりにおける製品の品質向上に貢献します。
【分光測色計「CM-3700A Plus」が提供する価値】
1.高精度な測定を実現
「CM-3700A Plus」は、特に、高い精度で測定することが難しい黒の繰返し性*1が従来機種より大幅に向上しました。機器ごとの測定値の個体差(器差)がΔE*ab 0.08以下*2と非常に小さいため、サプライチェーンにおける複数台・多拠点での使用でも力を発揮します。また、従来機種「CM-3700A」とデータ互換性があるため、それまでに蓄積された測定データの継続使用が可能です。さらに、ステンレス製のポリクロユニットハウジングを採用するなど、温度変化や経年変化に強い耐久性を実現しています。
2.操作性と利便性の向上
「CM-3700A Plus」は、新たに電子ビューファインダーを備え、PC画面から測定物の位置合わせ*3が容易にできるようになりました。測定データと併せて画像を保存し、測定位置を画像で確認することが可能です。また、測定物の出し入れがしやすい広い透過試料室やアクセサリー収納を備え、より使いやすいデザインになりました。
3.高い信頼性を実現する機能やソフトウェア
(1)測定の効率化と高度な色管理の実現
「CM-3700A Plus」はSCIとSCE*4の同時測定が可能になり、測定時間が従来機種の約半分に短縮しました。さらに環境温湿度計とサンプル温度計を備え、色測定と同時に測定環境の温湿度やサンプル表面温度*5を確認・記録することができます。
(2)より安心して使えるサービス
「CM-3700A Plus」は一貫した品質管理体制の下、日本国内で製造されています。また、使用時の衝撃や、周囲の環境温度などの外部要因で生じうる分光器の波長ずれを補正する機能「WAA(Wavelength Analysis & Adjustment)」を搭載しています。定期校正(メンテナンス)と組み合わせることにより、精度を維持しながら安心して使用することができます。
(3)色彩管理ソフトウェアSpectraMagic NX2 による色彩データ管理
色彩管理ソフトウェア「SpectraMagic NX2」*6を使用することで、様々な色彩インデックスやグラフを使用した色彩管理やデータ分類、取引先と色彩値を使ったコミュニケーションが可能となります。さらに、Ver1.4以降のプレミアムライセンスでは、新機能の日常点検アプリケーションを使用して機器の状態を把握することができます。
【主な仕様】
記載の内容、仕様および外観は、都合により予告なしに変更する場合があります。
照明・受光光学系 | 反射測定 | di:8º、de:8º(拡散照明・8°方向受光) |
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SCI(正反射光含む)/SCE(正反射光除去)の切り替え機構付き、同時測定可能 | ||
JIS Z 8722 条件幾何条件c、 ISO 7724/1、 CIE No.15(2004)、 ASTM E 1164、 DIN 5033 Teil 7に準拠 |
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透過測定 | di:0º、de:0º(拡散照明・0°方向受光) | |
JIS Z 8722 条件幾何条件g、CIE No.15(2004)、 ASTM E1164、DIN 5033 Teil7 に準拠 |
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測定径/照明径 | 反射測定 | LAV : Φ25.4/Φ28 mm LMAV : Φ16/Φ20 mm MAV : Φ8/Φ11 mm SAV : 3×5/5×7 mm |
透過測定 | 約Φ20/Φ25 mm | |
測定波長範囲 | 360nm - 740nm | |
繰返し性 | 白色 | 色彩値:標準偏差ΔE*ab 0.005以内 分光反射率:標準偏差 0.05%以内 (白色校正後、白色校正板を10秒間隔で30回測定したとき) |
黒色 | 色彩値:標準偏差ΔE*ab 0.02以内 分光反射率:標準偏差 0.02%以内 (白色校正後、BCRA Blackタイル(反射率1%)を10秒間隔で30回測定したとき) |
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器差 | BCRAシリーズⅡタイル12色の平均値ΔE*ab 0.08以内 (LAV-SCI、コニカミノルタマスターボディ基準、当社測定条件による) |
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大きさ | 約307(H) x 271(W) x 600(D)mm | |
質量 | 約20kg |
【コニカミノルタのセンシング分野について】
コニカミノルタのセンシング分野では、カメラ事業で培った光学技術を基盤に、「光源色計測」と「物体色計測」の分野で多様な製品・ソリューションを提供し、顧客のモノづくりの現場で品質の確保や生産性の向上に貢献しています。色計測のデファクトスタンダードとして使用されている製品も多く、特に世界のディスプレイ画質検査ソリューション市場ではシェアが50%を超え(当社推計)、マーケットリーダーとしてのプレゼンスを確立しています。
また、事業の競争力強化を目指して、積極的な事業投資を進めてきました。2012年にはハイエンドの光測定機の開発力を有し、ディスプレイやLED照明の高性能測定でトップクラスの実績を持つInstrument Systems社(ドイツ)を、2015年にはディスプレイ向けの高解像度二次元測定機や画像処理ソフト、自動外観検査システムなどで強みを持つRadiant Vision Systems社(米国)を、2019年には自動車外観検査市場における有力企業であるEines Systems社(スペイン)を、2020年にはハイパースペクトル・イメージング(HSI*7)業界のリーディング・カンパニーであるSpecim, Spectral Imaging社(フィンランド)を買収しています。
コニカミノルタのセンシング分野を含むインダストリー事業では、コア技術を強みとし、開発、製造、顧客サポートが一体となり、顧客との強固な関係を構築することで価値を共創してきました。今後注力する分野を「ディスプレイ」「モビリティ」「半導体製造」と定め、強化事業であるセンシング、機能材料、IJコンポーネント、光学コンポーネント(産業用途)を中心に、顧客のモノづくりバリューチェーンにより密接した事業開発を推進していきます。
*1: 繰返し性とは、同じ試料を同じ条件で繰り返し測った時の測定誤差で、測定精度を示す指標です。この値が小さいほど、測定値の信頼性が高いことになります。
*2: BCRAシリーズⅡタイル12色の平均値です。
*3: PCとの接続には、別売ソフトウェア SpectraMagic NX2 Ver.1.5が必要です。
*4: SCI:「Specular Component Include」の略。拡散照明にて正反射成分を含めた測定方式で、表面状態に関係なく素材そのものの色の評価をします。
SCE:「Specular Component Exclude」の略。拡散反射光のみの測定方式で、目視に近い色の評価をします。
*5: サンプルの温度測定は反射測定時のみです。
*6:「SpectraMagic NX2」は別売ソフトウェアです。
*7: 可視~中赤外域の比較的広帯域を細かく分光するカメラで、エリア内に分散している物質を区別する手段の一つ。材料、資源の弁別、食品の分析などリサイクル 環境 安全分野から、製品の表面状態の分析などの産業用途でも利用が見込まれます。
*記載されている商品名等は各社の登録商標または商標です。
【 お客様のお問い合わせ先 】
コニカミノルタジャパン株式会社 色と光の技術相談窓口 TEL: 0120-610577
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