ニュースリリース
超音波非破壊検査に関する提案研究がJAXAの研究提案募集(RFP)に採択
再使用型ロケット機体の欠陥評価への利用をめざす
2024年3月21日
コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:大幸 利充、以下 コニカミノルタ)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「革新的将来宇宙輸送システム研究開発プログラム※第3回研究提案募集(RFP: Request for Proposal)」に研究提案を行い、採択されました。今後、採択された研究テーマについてJAXAと共同研究を進めてまいります。
採択された研究
超音波非破壊検査を用いたCFRP機体の効率的な点検・整備に関する研究
提案研究の背景
将来的に、再使用型ロケットが高頻度に打ち上げられるようになると、回収した機体を効率よく検査し再整備する技術が必要となります。現在、航空機分野やロケットではCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)製の機体の欠陥評価に、非破壊検査である打音や超音波などを用いていますが、航空機やロケットのような大きな構造物では、現状の超音波非破壊検査のみでは時間とコストが掛かります。そこで、今後はカメラなどの外観情報とAI技術の活用による異常個所のスクリーニング技術と、そこで検出された異常個所の内部構造を可視化する超音波検査を組み合わせた、効率的なシステムが必要になると考えられます。
今回の提案では、コニカミノルタの超音波検査技術を用いた構造健全性を保証する定量的で効率的な非破壊検査技術実用化の研究を行うこととしました。
コニカミノルタの超音波検査技術
コニカミノルタの超音波検査技術は、ヘルスケア事業の超音波診断装置が基礎となっています。日本超音波医学会「第16回技術賞」を受賞した「超広帯域高感度リニアプローブの開発とTriad Tissue Harmonic Imagingによる画像改善」などにより、太さ数十~数百ミクロン程度の筋束や神経束の繊維構造まで鮮明に見える高精細画像で、整形外科領域、麻酔科領域を中心に高い評価を受けています。また、さまざまな画像処理と、計測に必要な調整を自動で行うナビ機能や、自動検出アシスト機能などで、診断を支援しています。
現在、この超音波技術を将来の社会課題解決に応用するための検討を積極的に進めており、その一つとして、今後使用が広がるCFRPのリユース、リサイクルに超音波非破壊検査を役立てたいと考えています。軽量・コンパクトでありながらも高精細な画像を実現する技術に、自動化技術を組み込むことで、超音波非破壊検査の効率化を図ります。
※革新的将来宇宙輸送システム研究開発プログラム
https://www.kenkai.jaxa.jp/research/kakushinyusou/kakushinyusou.html
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