ニュースリリース

オゾン関連製品のリーディング企業タムラテコとオゾン発生装置の初の共同開発
日本のものづくりの力で、感染防止対策製品の価値共創

2022年3月31日

コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山名 昌衛、以下 コニカミノルタ)は、新型コロナウイルスの感染を防止し、安心・安全に暮らせる環境づくりに貢献するため、ウイルス消毒に有効なオゾン関連製品のリーディングカンパニーである株式会社タムラテコ(大阪府東大阪市、社長:田村 耕三、以下 タムラテコ)とオゾン発生装置を初めて共同開発し、日本のスマート工場であるDMC*1-MIKAWA(愛知県豊川市)にて量産化したことを発表しました。

<協業の意義>

  • 社会課題解決のための、規模や業種の異なる会社間での協業による、日本のものづくりの力での価値共創
  • コニカミノルタのものづくり力を最大限に生かした、設計開発、生産技術、品質保証、部品調達に関する一気通貫したプロセスを、エンジニアリングサービスとして提供
  • センサ-による安全なオゾン制御のほか、除菌効果のインジケーターによる見える化など、新製品における高付加価値設計
  • コニカミノルタグループの販路を活用した国内販売

共同開発製品バクテクター2.0MDは、コニカミノルタの複合機技術や、ヘルスケア製品での医療機器並みの厳密な製品化プロセスを活用し、高付加価値の設計に加え高品質を実現しています。タムラテコブランドとしてタムラテコによる販売に加え、コニカミノルタグループの販路も活用します。また、日本で生まれたオゾン発生体の技術を異業種協業でさらに進化させ、日本のものづくりの力による価値共創として、タムラテコによる海外展開も計画されています。

今後は医療向け新規製品のタムラテコとの共同開発とともに、将来的にはコニカミノルタの画像IoTプラットフォームFORXAI(フォーサイ)の活用も視野に入れています。

タムラテコとの取り組みは、コニカミノルタのこれからの価値共創のモデルケースであり、コニカミノルタは、今後も社会課題解決のために、エンジニアリングサービスによる協業を拡大していきます。

*1:Digital Manufacturing Center


【これまでの協業の経緯】

新型コロナウイルス感染拡大に伴ってオゾン除菌装置の需要が急増する中、タムラテコは、部品調達や生産面においての供給課題に直面していました。そのような中、タムラテコとコニカミノルタは、2020年12月より、オゾン関連製品の製造能力増強のために必要な部品の調達で、協業関係にありました。また、オフィスや介護施設に適したタムラテコの既存オゾン関連製品について、コニカミノルタグループの販路を活用した国内販売協業を行ってきました。

【DMC-MIKAWAについて】

変種変量に強い生産を国内で実現し、タムラテコに安定した供給を行い、新製品の安心安全に万全を尽くします。コニカミノルタグループのグローバルマザー工場であるDMC-MIKAWA(新三河工場)は、混流生産が効率的に可能で、主要部品を金型から社内で一貫生産しており、多品種少量生産に対応したサプライチェーンを実現しています。また、コニカミノルタグループは複合機や医療機器を全世界向けに出荷していることから、電気・電子機器規格認証や環境基準など、各国特有の規制への対応ノウハウを活かして、タムラテコの海外展開を支援しています。

【新製品バクテクター2.0MDの特長】

低濃度オゾンガスを使用して、室内に付着したウイルス・菌を除菌・不活性化します。タムラテコ製の既存製品で、学校、病院、老健施設、駅ターミナルなど様々な施設で採用され、全国の救急車にも搭載されるなど公的機関にも納入実績がある「バクテクター」の新製品として共同開発しました。主な機能は以下のとおりです。

  • オゾン濃度センサ-を用いた制御でオゾン濃度を安全な一定状態に維持
  • 動作開始からの除菌効果をCT値*2として検知し、インジケーターにて表示
  • SDカードに過去1カ月間の動作推移を記録

*2:殺菌・不活性効果を示す指標として国際的に認められているもので、ガス濃度と時間の積(濃度ppm×時間min)を表しており、CT値が高いほどその効果は増加し、逆にCT値が低いほどその効果は低下します。

【複合機技術やヘルスケア製品の技術を活用】

オゾンは発生体に高圧の電気を加えて発生させますが、その際に電磁波(ノイズ)が発生します。このノイズは近辺の電子機器に対して有害で、誤動作を生じさせる危険があります。複合機においても印刷時に高圧電源を用いることから、コニカミノルタはノイズ抑制技術を保有しており、今回のオゾン発生プロセスに、このノイズ抑制技術を導入することで、医療機器に要求される電磁規格に対応しました。また、製品企画から設計・製造において、コニカミノルタのヘルスケア製品を参考に、厳密なプロセス(アセスメント、トレーサビリティなど)で一気通貫して製品化を行いました。


コニカミノルタは、働きがい向上と企業活性化、健康で高い生活の質の実現、社会の安心安全、有限な資源の有効活用および気候変動への対応など、2030年およびその先の将来の社会課題と向き合い、デジタルトランスフォーメーション(DX)による無形資産と事業の競争力の強化とともに、持続的に顧客および社会へ価値を届けることにより、企業価値を高めます。このようなコニカミノルタ流の価値創造プロセスを通じて、「人間中心の生きがい追求」と「持続的な社会の実現」を高次に両立することを目指しています。


【別紙】

新型コロナウイルスの変異株に対する低濃度オゾンによる不活化効果を、奈良県立医科大学の研究チームが確認しました

奈良県立医科大学とMBT コンソーシアム会員のタムラテコ、MBT 微生物学研究所株式会社の研究グループは、有人環境下での空間濃度の基準値とされている 0.05ppm、0.1ppm の濃度のオゾンガス曝露において、以下の新型コロナウイルスの不活化を確認しました。

  • アルファ株
  • ベータ株
  • ガンマ株
  • デルタ株

本試験により「無人」「空気の流れがない」など、一定の条件下であれば除菌を補助的に活用できる可能性を示しています。また、高湿度条件下では不活化の速度が速まることも確認され、オゾンの実用性を学問的に示しました。

さらに、タムラテコでは、オミクロン株に対しても同じ環境下での試験を依頼しており、実験条件が整い次第、奈良医大にて検証を行う予定ですが、これまでの結果からオミクロン株においても同様の効果を期待しています。

なお、本試験では浮遊するウイルスへの効果、人体への影響については検証を行っていません。

株式会社タムラテコへのリンク
https://www.teco.co.jp/wp/topix/8741

奈良県立医科大学へのリンク
https://www.naramed-u.ac.jp/university/kenkyu-sangakukan/oshirase/r3nendo/ozone.html

ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日現在の情報です。お客様がご覧いただいた時点で、情報が変更(生産・販売が終了している場合や、価格、仕様など)されている可能性がありますのであらかじめご了承下さい。