ニュースリリース
VSC臭を可視化する測定ツールKunkun dentalをリリース
センサーと機械学習を組み合わせたニオイ嗅ぎ分け技術を応用
2020年6月22日
コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山名 昌衛、以下コニカミノルタ)は、VSC臭*測定ツール「Kunkun dental」の発売を開始しました。コニカミノルタが持つ、センサーと機械学習を組み合わせたニオイ嗅ぎ分け技術を応用しています。Kunkun dentalは、様々なニオイを可視化するニオイ「見える化」プロジェクトの第二弾になります。従来よりも簡単に、素早く、VSC臭を可視化できる測定ツールを提供することで、健康的な生活をサポートします。まずは歯科医院における測定ツールとして活用される予定です。
*VSC臭とは、揮発性硫黄化合物(Volatile Sulphur Compounds)のことで、硫化水素(H2S)、メチルメルカプタン(CH3SH)、ジメチルサルファイド(CH32S)などから成ります。
【特長】
Kunkun dentalは、2018年に発売したKunkun bodyのニオイ嗅ぎ分け技術を発展させました。ニューラルネットワークを用いたAIの判定アルゴリズムを、VSC臭用に改良しました。VSC臭のうち硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドを嗅ぎ分け、それぞれの濃度を表示します。VSC臭の測定準備に約2分、呼気の採取から測定結果の表示までわずか1分しかかからず、測定者、被検者双方の負担を軽くすることを実現しました。また本体にはモバイルバッテリーが搭載されており、持ち運んでの利用も可能です。
これらの特長より、Kunkun dentalは主に歯科医院や在宅歯科診療、在宅看護の場での測定ツールとしての活用を想定しています。
*Kunkun dentalは医療機器ではなく、診断補助ツールです。
【背景】
コニカミノルタは、既存ビジネス領域以外の分野での新規事業立ち上げを目的とし、2014年にBIC Japan(Business Innovation Center Japan)を設立しました。顧客視点で新規事業を開発するBIC Japanでは、ニオイ対策がサービスの付加価値になっている近年の変化に着目し、可視化手段のなかった「ニオイ」を見える化することに大きな価値があると考えて、ニオイの「見える化」標準プラットフォーム「HANA(High Accuracy Nose Assist)」プロジェクトを発足しました。HANAプロジェクトの第一弾として、体臭をかぎ分けるツール「Kunkun body」を開発、販売しています。
次にBIC Japanは、ニオイ見える化プロジェクトのアドバイザーの一人である森下真紀歯科医師の「様々な全身疾患の危険因子ともなりうる口腔環境のリスクを測るためにVSC臭の測定にコニカミノルタの技術が応用できるのではないか」という意見をふまえ、VSC臭の可視化、測定に着手しました。ニオイ嗅ぎ分け技術をVSC臭用に改良し、従来の測定器に比べて早く、簡単に測定できるだけでなく、導入コストを抑えることも可能になりました。
BIC Japanは引き続き、Kunkun dentalにより歯科医院や在宅歯科診療の場面での更なるVSC臭の測定を促すことで、口のニオイの側面から健康的な社会の実現に寄与します。
【今後の展開】
コニカミノルタは今後も、ニオイの見える化を推進していきます。今秋以降、嗅ぎ分け技術をカスタマイズすることで、あらゆるニオイを定量化する「Kunkun X」のサービス開始を予定しています。企業や顧客のニーズに合わせ、嗅ぎ分けたいニオイに対し客観的な指標を提示します。例えば室内や車内のタバコのニオイやペットのニオイ、消臭剤や消臭素材の評価等、ニオイの可視化により多様な業界で新たな付加価値を生み出せるものと考えています。
【森下真紀歯科医師】
歯科医師・歯学博士・株式会社日本歯科総合研究所代表取締役社長
国立大学法人東京医科歯科大学歯学部歯学科首席卒業。在学時、英国キングスカレッジ歯学部に留学。その後、東京医科歯科大学歯学部附属病院研修医を経て、東京医科歯科大学大学院入学し博士号取得。大学院在学中には日本学術振興会特別研究員も務める。 株式会社日本歯科総合研究所を2017年に設立し、代表取締役社長に就任。「日本を世界一の歯科先進国へ」をミッションとして掲げ、歯科業界の発展に貢献すべく活動を行っている。口臭対策のための全く新しい“舐める”オーラルマナー商品「IKIREI」を開発。
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