ニュースリリース

有機ELディスプレイの測定ニーズに対応したカラーアナライザー「CA-410」を発売
~進化するディスプレイの豊かな画像表現と生産性向上に貢献~

2017年11月9日

コニカミノルタ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山名 昌衛、以下 コニカミノルタ)は、有機ELなど進化し続けるディスプレイの測定ニーズに対応したカラーアナライザー「CA-410」を2017年11月15日に発売予定です。

「CA-410」は、テレビやスマートフォンのディスプレイ生産現場においてホワイトバランス※1やガンマ※2の検査調整に用いられる光計測機器です。高速かつ高精度な測定に定評のあった「CA-310」の後継機種として、有機ELディスプレイをはじめとするハイダイナミックレンジ(HDR)化したディスプレイの測定においても高速かつ高精度化を実現しました。

提供する価値

1.従来比25倍の精度保証輝度範囲でHDRディスプレイの品質を支える

近年、通信速度の飛躍的な向上もあり、より高画質な画像や動画をスマートフォンで見たい、というニーズが高まってきています。メーカーもこれに応えて、コントラスト比が高く、より鮮やかな色再現のHDRなどの高品位ディスプレイの開発が進む中、ディスプレイ関連のお客様からカラーアナライザーによる超低輝度から高輝度にわたる測定が求められるようになりました。

「CA-410」は、センサー回路を刷新することで、0.001~5,000 cd/m2という従来機種比25倍の精度保証輝度範囲を実現しました。これにより、高品位ディスプレイの品質の管理と向上に貢献し、スマートフォンやテレビによる画像や動画のさらなる高画質化に寄与するものと考えます。

2.測定時間の短縮で生産性向上に寄与

0.001 cd/m2という超低輝度においても、測定時間は1秒と、生産工程での利用にも十分に対応できる速さを実現させました。 さらに、ディスプレイ画面を黒から白へと明度を上げていきながら何回も測定するガンマ測定では、センサー性能やCPU演算速度の向上などにより、測定時間を従来機種から3割短縮※3しました。これにより、高品位ディスプレイ生産において全数チェックが必要な場面などで、ガンマ補正に掛かる時間を短縮することができ、生産性の向上に寄与します。

3.デジタルマニュファクチャリング時代の自動化工程に組み込みやすい仕様

これからのデジタルマニュファクチャリングの時代に合わせ、手動作業なしでの測定開始が可能、また本体を介さずプローブとコンピュータを直結させることが可能で省スペース化を図れるなど、自動化された生産工程への組み込みに適した仕様となっています。

主な仕様

下記は、通常プローブ「CA-P427」使用時の値です。

表示範囲 輝度 0.0001~5,000 cd/m2
色度 4桁表示
輝度 精度保証範囲 0.001~5,000cd/m2
確度(白色)* 0.001~0.01 cd/m2:±9%
0.01~0.1 cd/m2 :±2%
0.1~5,000 cd/m2:±1.5%
色度 精度保証輝度範囲 0.01~5,000 cd/m2
確度(白色)* 0.01~0.1 cd/m2 :±0.003
0.1~5,000 cd/m2:±0.002
精度保証計測速度
(AUTO)
Lvxy 0.001~0.15 cd/m2:1回/秒
0.15~2 cd/m2 :5回/秒
2~5,000 cd/m2 :20回/秒
インターフェース USB2.0、RS-232C

*当社基準光源使用 (6500K)

センシング事業と産業用光学システム事業について

コニカミノルタのセンシング事業は、カメラ内蔵の露出計開発に端を発し、1960年代の露出計単体の発売以降、照度計、輝度計、測色計など光と色の計測の分野で50年以上リーディングカンパニーのひとつとして製品やサービスを提供してきました。また、各国の計量標準機関にも協力するなど、光計測によって産業界を支援しています。中でも35年に渡って提供しているカラーアナライザーシリーズは、既にテレビの品質管理におけるグローバルデファクトトップの地位を確立しており、近年はスマートフォンも含めた有機ELディスプレイの検査をはじめ、世界中の有力なディスプレイメーカーで広く利用されています。

今年発表した中期経営計画「SHINKA 2019」では、センシング事業にコニカミノルタグループの他のリソースを融合させた産業用光学システム事業として、基盤、成長、新規の3つの事業戦略を並行して進めます。
当社の基盤であるセンシング事業の戦略としては、ディスプレイの有機EL化のような市場変化をとらえた製品と、自動車、食品、建材の各業界でのさらなる用途開拓によって、光計測、色計測ともに、シェア拡大を狙います。
世の中の生産現場における自動化が進展するとともにデータ活用の重要性が高まる中、成長事業として、2015年に買収したRadiant社の外観検査技術を既存の光計測技術に組み合わせることで、インラインの一括した検査システムを開発し、これを高付加価値かつ高収益な事業として展開します。新規事業としては、センシング技術と画像解析技術を活かし、デジタルマニュファクチャリング、QOL(Quality of Life)ソリューション、状態監視ソリューションの3つのカテゴリーで、次世代を視野に入れた高付加価値製品の提供を目指します。

コニカミノルタは、生産現場のお客様だけでなく、その先にいるエンドユーザーのニーズをいち早くとらえ、豊かな生活を支える製品の供給に寄与すべく今後も進化し続けます。

※1:ホワイトバランスとは、白を正確に再現するために、光の三原色である赤、緑、青の光量の比率を調整すること。
※2:画像の階調の応答特性を示す数値。ガンマ補正を行うことで、白と黒の間の明るさである中間調において、明るさや色が目で見たときに自然でなめらかな階調となる。
※3:当社条件(64回測定)におけるガンマ測定シミュレーションでのCA-310との比較。ディスプレイの駆動にかかる時間、ウエイトタイム等は除く。

お客様のお問い合わせ先

コニカミノルタジャパン株式会社 センシング事業部 営業部
東京営業所 03-6324-1010/大阪営業所 06-6110-0550/
名古屋営業所 052-229-4651/福岡営業所 092-415-3518

関連リンク

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