ニュースリリース
平成29年7月6日
各位
会社名 コニカミノルタ株式会社
代表者名 代表執行役社長兼CEO 山名 昌衛
(コード番号4902 東証第1部)
問合せ先 広報ブランド推進部長 岩本 満美
(TEL 03-6250-2100)
当社は、平成29年5⽉26⽇の取締役会決議に基づき、本日、下記のとおり、株式会社産業革新機構との共同投資によりAmbry Genetics Corporation(本社:米国カリフォルニア州、以下 「AG社」)を子会社化すること(以下 「本取引」)を代表執行役において決定し、AG社と契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。
記
1.本取引の目的
AG社は、最先端の遺伝子診断技術を持ち、高度な商品開発力、多様な検査項目、高い検査処理能力、遺伝子カウンセラーチャネルでの圧倒的な強さを背景に、成長著しいがん領域を中心とした米国の遺伝子検査市場におけるリーダー的存在となっています。同社は、世界で初めて診断を目的としたエクソーム解析試験※1を始め、遺伝性および非遺伝性の腫瘍、心臓疾患、呼吸器疾患、および神経疾患など多数の臨床分野向け遺伝子検査を提供しています。カリフォルニア州に所有する最先端の大規模ラボにおいて、すでに100万件を超える遺伝子検査の実績を持ち、500種の遺伝子において45,000以上の突然変異を特定しています。
本取引は、がん治療などに今後大きな役割を期待されているプレシジョン・メディシン(個別化医療)推進に向けた戦略的取り組みの先駆けとなるもので、当社は、最先端の遺伝子診断技術、バイオインフォマティクスを駆使した高度なIT解析技術、最新鋭で大規模な検体検査ラボ、高収益なサービス事業を取得します。さらに、当社の固有技術であるタンパク質高感度定量検出技術(HSTT※2)と、AG社の遺伝子診断技術を合わせることにより、患者のグループ化や新薬開発で欠かせない二つのコア技術を持ちます。両社の技術を基に、プレシジョン・メディシンをAG社がリードする米国から、日本・アジアおよび欧州展開によりグローバル・リーディング・カンパニーへと成長していきます。
※1:遺伝子のエクソン領域のみを濃縮して解析することにより、エクソン上の変異を効率的に検出する手法。エクソンは遺伝子の中でタンパク質に翻訳される領域であることから機能的に重要で、遺伝性疾患の多くがエクソン領域の変異により引き起こされると推定されています。 ※2:HSTT(High Sensitive Tissue Testing):写真化学技術を活用した、新たな高輝度蛍光体ナノ粒子とデジタル画像処理技術を組み合わせてなる、デジタル病理技術。HSTTの技術開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDOのがん超早期診断・治療機器の総合研究開発 プロジェクト/病理画像等認識基礎技術の研究開発プロジェクトの支援を受けたものです。
2.本取引の概要
本取引は、当社のヘルスケア事業の米国販売子会社Konica Minolta Healthcare Americas, Inc.(以下 「KMHA」)と、株式会社産業革新機構(本社:東京千代田区、代表取締役社長:勝又幹英、以下 「INCJ社」)との共同出資による現金交付型の合併取引で出資比率はKMHAが60%、INCJ社が40%となります。
KMHAが設立したKonica Minolta PM., Inc.(以下 「SPC1」)※1の100%出資により設立されたKonica Minolta Geno., Inc.(以下 「SPC2」)が、AG社との間で、AG社を存続会社とする逆三角合併※2をすることで、AG社が当社グループの連結子会社となります。本件取引に関わる手続きは2017年秋に完了予定です。
※1:本取引実行前にINCJ社が出資を行い、出資比率はKMHAが60%、INCJ社が40%となります。当社とINCJ社の契約により、SPC1株式のINCJ社保有分40%についてプット・オプションが設定されます。 ※2:Reverse Triangular Mergerと呼ばれる手続きで、米国における買収の際に一般的に用いられます。
本取引前後のAG社に関する資本関係の概要図は以下のとおりであります。
KMI | コニカミノルタ株式会社(当社) |
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KMHUS | Konica Minolta Holdings U.S.A., Inc. |
KMHA | Konica Minolta Healthcare Americas, Inc. |
INCJ | 株式会社産業革新機構 |
SPC1 | Konica Minolta PM., Inc.(KMHAとINCJ社の共同出資による特別目的会社) |
SPC2 | Konica Minolta Geno., Inc.(SPC1により設立した合併準備会社(消滅会社)) |
AG社 | Ambry Genetics Corporation(存続会社) |
3.子会社(KMHUS)の概要
(1) 名称 | Konica Minolta Holdings U.S.A., Inc. |
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(2) 所在地 | 米国ニュージャージー州 |
(3) 代表者の役職・氏名 | CEO: 大幸 利充 |
(4) 事業内容 | 米国持株会社 |
(5) 資本金 | 968,264千米ドル |
子会社(KMHA)の概要
(1) 名称 | Konica Minolta Healthcare Americas, Inc. |
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(2) 所在地 | 米国ニュージャージー州 |
(3) 代表者の役職・氏名 | President / CEO: David L. Widmann |
(4) 事業内容 | 医療用画像診断システムの米国他における販売 |
(5) 資本金 | 5,300千米ドル |
4.異動する子会社(AG社:存続会社)の概要
(1) 名称 | Ambry Genetics Corporation | |||
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(2) 所在地 | 米国カリフォルニア州アリソ・ビエホ (Aliso Viejo, CA) | |||
(3) 代表者の役職・氏名 | President and Chairman: Charles L.M. Dunlop | |||
(4) 事業内容 | 乳がん、大腸がん等の遺伝子診断事業 | |||
(5) 資本金 | 102米ドル | |||
(6) 設立年 | 1999年 | |||
(7) 大株主及び持株比率 | Charles L.M. Dunlop 44.27% その他 55.73% |
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(8) 上場会社と当該会社との間の関係 | 資本関係 | 該当事項はありません。 | ||
人的関係 | 該当事項はありません。 | |||
取引関係 | 該当事項はありません。 | |||
(9)当該会社の最近3年間の連結業績及び連結財政状態(米国基準)(単位:千米ドル) | ||||
決算期 | 2014年6月期 | 2015年6月期 | 2016年6月期 | 2017年6月期 (2016年7月1日~2017年3月31日の参考数値) |
連結純資産 | 30,179 | 53,686 | 84,730 | 75,624 |
連結総資産 | 48,463 | 100,289 | 132,734 | 115,402 |
1株当たり連結純資産 | 26.9米ドル | 48.5米ドル | 83.1米ドル | 74.1米ドル |
連結売上高 | 96,777 | 161,872 | 287,943 | 162,525 |
連結営業利益 | 40,149 | 60,371 | 139,711 | 19,760 |
調整後連結EBITDA | 46,570 | 73,619 | 159,468 | 50,084 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 26,423 | 39,671 | 86,389 | 5,119 |
1株当たり当期純利益 | 23.5米ドル | 35.9米ドル | 84.7米ドル | 5.0米ドル |
(注1)2017年6月期(2016年7月1日~2017年3月31日の参考数値)につきましては、発表日現在においてAG社から入手している情報に基づいて記載しており、監査実施前の数値となっております。
(注2)調整後連結EBITDAは、AG社のマネジメントによる一時費用等の調整後の連結EBITDAであり、米国基準に基づく数値ではありません。
5.株式取得の相手先の概要
(1) 氏名 | Charles L.M. Dunlop. |
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(2) 住所 | 米国 |
(3) 当社と当該個人の関係 | 該当事項はありません。 |
※上記の他、個人150名超から株式を取得する予定です。当社と当該個人との間には記載すべき資本関係・人的関係・取引関係はありません。
6.取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況
(1) 異動前の所有株式数 | -株 (議決権の数: -個) (議決権所有割合:-%) |
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(2) 取得株式数 | 1,020,792株(注1) (議決権の数:1,020,792個) |
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(3) 取得価額 | AG社の普通株式等 | 800百万米ドル(注2)(注3) |
アドバイザリー費用等(概算額) | 22億円 | |
合計(概算額) | 902億円(1米ドル110円換算) | |
(4) 異動後の所有株式数 | 1,020,792株(注4) (議決権の数:1,020,792個) (議決権所有割合:100%) |
(注1)当社とINCJ社が、SPC1を通じて取得するAG社株式の総数です。
(注2)取得価額は、合併契約に定める株式取得実行時の価格調整(純有利子負債の加味を含む)を実施した金額となる予定です。
(注3)業績連動型のアーンアウト方式を採用しており、AG社の今後2ヶ年度の決算数値に応じて、上記に加えた追加代金が最大200百万米ドル発生する可能性があります。
(注4)当社とINCJ社が、SPC1を通じて保有するAG社株式の総数です。
7.日程
(1) 代表執行役による決定日 | 平成29年7月6日 |
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(2) 契約締結日 | 平成29年7月6日 |
(3) 株式譲渡実行日 | 平成29年10月(予定) |
(注)本株式譲渡の実行は、米国その他必要な各国の競争法に関する手続きの完了後となります。
8.今後の見通し
当期以降の連結業績に与える影響は現在精査中であり、今後開示すべき事項が生じた場合は速やかにお知らせいたします。
以上
変更履歴
7. 日程 の表(1)、「取締役会決議日 平成29年5月26日」としておりましたが、正しくは「代表執行役による決定日 平成29年7月6日」でした。お詫びして訂正します。[2017年7月7日]
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