漫画「太陽のグランフェッテ」公式アカウント
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EPISODE 2：俵たわら 剛太ごうた
P1:薄暗い工事現場への入り口。主人公の駿（しゅん）が空飛ぶギア　ゼログラバイクに乗ったまま顔認証を行っている。 音を立て段々と開く重いゲート。 最終認証中です 認証しました
P2:ゲートが開き目の前には巨大なタワーとスタジアムが見える。 − episode2 俵 剛太《たわら　ごうた》 −
P3:ギアを加速しタワーへと飛ぶ駿。眼下には老人とドレッド頭の青年。唐《カラ》ジィ 海人さーーん よう 駿 何だかエンジンの調子が悪くてさぁー まーーたおまえか
P4:着地し、駿はピザを取り出し二人に届ける。 駿のバイクの修理を始める唐ジィと呼ばれる老人と、ドレッド頭の青年、海人。 二人は師弟関係のようだ。 頭上にはタワーと同心円状に取り付けられたリングがあり、タワーから出た二本のバーで支えられている。 そのリングがマトと呼ばれる20面体に貫通している。 マトがリングに沿ってタワーの周りをぐるぐるとまわる仕組みのようだ。 ご注文の品をお届けに参りました～ 海人レンチくれうぃっスなァなァ 今年のゼログラルーレットは何か目玉あんの？ アレだよ 今年は標的《マト》を景気良く揺らす予定だ フーン しっかしイカれてるよなァこんなモンで居住区ごとの昼の長さを決めようってんだから
P5:引き続き駿のバイク修理が続く。 駿と海人は軽口をたたきあっている。 まァ 大昔に上層《うえ》が決めたことだ オレらはコレでひと儲けさせてもらうだけさ おまえンとこも祭の出前でボロ儲けだろ ハハッ 沙羅バァは確かにそうかもっスね そもそも地球が回ってたら このゲームも無かったんだよなァ …… 直ったぞ …アレ？ どこ行った？ おーい 唐《カラ》ジィ これ試合用の槍だろォ？ 海人さん ナラシ運転つき合って下さいよ あっ オイッ
P6:このゲームに使用する槍を勝手に持ち出し、海人を遊びに誘う駿。 満更でもなさそうな海人。 イヤイヤ おまえルールとか解ってんのかァ？ この槍をあの標的《マト》に させばいいんでしょー？ カンタン カンタン イヤ… おまえもちゃんと止めろや 海人 ハハッ 無理っすよ 師匠《シショー》 コイツがオレの言うこと聞くワケないっッショ おいっ 駿っっ 海人っっ 無茶して壊すなよ あ～それと… アカデミーの奴らが練習に来たら譲れよ 海人さん 待ってますよ～〜 …って 全然聞いてねェ～～ しゃーねェ つき合うか
P7:高度を上げタワーを見下げる駿。 タワーの周りの地上にはルーレットのような模様が描かれている。 ハハッ まるで太陽の塔のオバケだぜ 10秒で終わらせるぜ そこへ海人のゼログラバイクがやってくる。 残業したくねェからなァ
P8:飛びながらゴーグルのスコープをマトに合わせ、ズームする駿。もらった 背後から海人にギアを蹴られる。
P9:駿はバランスを失い、海人に先を越される。 おっ先～～ おいっっ 汚ねェぞっっ 何言ってんだ ルールでは機体への攻撃アリだぜ たしかにそんなルールがありましたねェ… そこへ見知らぬゼログラバイクがやってくる。駿の前方で海人と並走している。 何だ？ コイツ
P10:見知らぬバイクが海人のバイクの後方に故意に自分のマシンをぶつける。 海人の排気筒が曲がってしまう。あ うわっっ!!! 何すんだテメー シッポが曲がっちまっただろーが!! ルールでは機体への攻撃アリなんだろう？ オウムみたいな野郎っすね!! うっせぇ!!
P11:座席に乗ったライダーと対峙する駿。 ライダーは、体が大きく眉毛が太い男。 挑発する駿。 この時間はオレ達の貸切のはずだ もともとここはオレ達の遊び場だ テメェ一体何モンだ 俺は 俵 剛太《たわら　ごうた》 未来の最強ゼログラディエーター こっちはおまえらみたいなお遊びとは違うんだ 消えろ こっちも命がけで遊んでんだ ナメてもらっちゃ困る どうだい？ ゼログラルーレットで決めねぇか？ アンタが勝ったらおとなしく消えてやるよ その代わり オレが勝ったら修理代を貰うぜ おい駿 勝手に決めんなよ!!
P12:煙を噴き出す海人のマシン。海人さん マシンヤバそうっすよ 早く唐ジィのところに行った方が… うわっっ ヤベッッ オレが戻るまで持ちこたえろよ!! 海人がギアの修理のため地上に戻り、駿と俵の二人になる。 何だ 2対1じゃないのか テメェ… 修理代持ってんだろうなァ？ フン おまえ一人じゃ準備運動にもならん 頭数揃えて出直してこい ビビってんのか？
P13:ゆっくりと振り向く俵。 小僧… しつけが出来てねぇみてぇだなぁ… マトを回るリングの前に待機する俵と駿。 スタートはアンタが決めな 次に目の前を標的《マト》が通ったらスタートだ オッケイ
P14：二人の目の前をマトが高速で過ぎる。
P15:俵の頭に足を乗せ挑発する駿。遅ェよ オッサン テメェ
P16：再度、俵の頭に足を乗せ、足でこづいたり、グリグリとつまさきを押し付ける駿。
P17:駿が俵を抜きさり、高速でリングを回るマトと並走しながら槍を持ち集中する。クソッ 動きが えげつねェな 今だ
P18:マトに槍を挿そうとした瞬間、空中で駿の機体が止まる。 なんだ？ 機体が 止まって… 小僧… ゼログラはなァ… スピードだけじゃねぇんだよ
P19：駿は俵に後ろから機体のシャフトを掴まれ、振り回され、放り投げられる。
P20:機体もろともきりもみ状態でタワーに向かって投げ出される駿。 街中で看板にぶつかりそうになった時の事を思い出す。 ヤベェ ぶつかる あの時の動きを思い出せ
P21：急旋回して危機一髪難を逃れる
P22:スロットルを回して機体を戻し、再び俵への挑発を始める駿。 借りは倍にして返すぜ ハハッ 再び着艦しましたァ
P23:俵の頭に足を載せる駿。 もう一丁 …… 俵は自らの機体のシートに立ち、駿の機体へ向かってジャンプする。
P24:駿は俵を機体にぶら下げたまま飛行。 空（から）の俵の機体はその二人の下を飛んでいる。 な… なんのつもりだ テメェ オレのゼログラは戦闘用だから 常にパイロットを追尾するのさ オレが落下しても 必ずキャッチするんだよ おまえの機体を失速させ地面に叩きつける ギリギリで手を放しても オレだけは助かるってワケさ だったら テメェの機体が追いつけねえスピードで飛ぶまでだ！ テメェの機体は絶対に追いつけねぇ!! 高度を下げ続ければ テメェも一緒にオダブツだ 死にたくなかったら手を離せ!!
P25:駿の機体に俵の機体が追いつく。駿の機体を掴んだまま、自分の機体にドスンと乗り込む俵。 エッッなんで追いつかれてんだ!?ゲッッ手で排気を止めてやがる!!オレのグローブは超耐火性だマジか!?
P26:なんでもアリかよ!? じゃあ… コレもアリだなァ!? 駿が身を乗り出し俵の機体の前方のプロペラ部に槍を挿す。 なっっ…!?
P27:俵は駿の機体のシャフト後方をつかんだまま放さない。 駿が挿した槍のせいで、俵の機体はプロペラの回転が止まってしまっている。 その俵の機体の重さで二つの機体はどんどん落下していく。 おい このままじゃ共倒れだぜ マシンを捨てれば おまえだけは助かるぞ 自分のマシンを捨てる ゼログラ・ファイター などいない イ… イカレて やがる… と… 止まった!? !?
P28：突然現れたもうひとつのゼログラバイク。 現れた機体のライダーが駿の機体を掴んだ俵の機体をつかみ、三つの機体が空中で停止し、連なっている。
P29:俵の機体を片手一つで支える老人。 にこにこと二人に向かってピースサインをしている。ワクワクする攻防じゃったのぉ～ まるでギリシャ神話を見るようじゃった では、記念撮影と参ろうか − to be continued −